Psycho-2 (ページ17)

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C2H5-OH 3 ページ17

「Aさんの料理はやっぱり美味しいですねー」
「そうですか？」

島崎の言葉にAは口角をあげ、微笑む(俺にはあんな顔しねーのに)

嫉妬心から対称的に俺がぶすっと表情を歪めているのに気づいたAが、美味しくなかった？と心配そうに聞いてくる

「う、うまいぜ！？」
「よかった！
ショウってば全然美味しくなさそうに食べてたから」

笑顔のAに、あははー…と愛想笑いを返す(だ、誰のせいだと…)

「あ、そうだ！
島崎さんに良いものあるんですよ」

そう言って台所へ向かうAの後を追って島崎も台所へ行った

「なんでしょう」

「これです！」とAが冷蔵庫から引っ張り出したのは酒瓶だった

「へぇ、地酒ですか」
「はい、大学の子が里帰りした際のお土産で買ってきてくれたんです」
「里帰りですか、学生さんはいいですね
ところでAさん、これどうやって飲みます？」
「んー、ロックでしょうか」

(くそ、酒の話なんて俺全然わかんねーよ！)

台所から聞こえてくる楽しそうな会話に、つい悪態をつく

「ショウはジュースでいいわよねー？」

終いにはこれだ
ひとり未成年な俺は完全にアウェイな気分になっていた

酒を持って島崎とテーブルに戻ってきたAは少しふたりで飲んだあと、席を立った

俺とふたりになると、島崎はグラスの残りをいっきに飲み干し俺に向かってにやりと笑いながら俺の仏頂面を指摘してきた

「てめぇあんまAに馴れ馴れしくすんなよ」
「おや、嫉妬ですか」

答える義理はないと思い横にいる島崎と反対側を向くと、島崎は俺と視線を合わせようとグイグイ顔を近付けてくる

「ショウ君も一杯どうですか」

(こいつ…酔ってんのか？)

酒がなみなみと注がれたグラスが俺の体の前に置かれる

「あ、ショウ君は20歳未満で未成年だからまだ飲めないのか
確か日本の法律ってそうでしたよね？」

思わず「未成年」という単語に反応する

「俺子供じゃねーし！！」

だんだんイライラしてきた俺はさっきの島崎のマネをするかのごとく、グラスに注がれた酒をいっきに飲んだ