Psycho-2 (ページ16)

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C2H5-OH 2 ページ16

インターホンを押すと勢いよくドアが開き、珍しいことにショウ君が飛んで出て来た

「島崎！！
ちょうどよかったぜ！助けてくれ！」
「！？」

ショウ君が私を頼るなど、かつてない事態に動揺する

「いったい私に何をしろと…」

思わず半歩下がり、ショウ君から距離を取り身構える

「チョビがどこにいるかお前ならわかるだろ！？」
「…は？」
「逃げちまったんだよ！」

そこでやっと合点がいく
つまり逃げたペットを探すのに私の超能力を使えということか

「ネズミでしたよね？」
「ネズミじゃねーよ！スナネズミ！！」
「はあ…そうでしたか
とにかく小動物ですよね？でしたらショウ君のポケットの中にいますが…」

ショウ君は「なに！？」と驚いた後、ポケットの中に手を入れて私の言ったことが正しいことを確認した

「全然気づかなかった…」

そしてその小動物を両手で持ちながら「助かったぜ！サンキュー、島崎」と礼を言った(明日は雪でしょうか)

「Aー！チョビ見つかったぜ！」
「ほんと？よかった！」

奥からAさんの安堵した声が聞こえる

「じゃショウ君、その小動物をAさんに返して帰りましょう」
「嫌だ！
俺まだ飯食ってねぇし！」

もう20時を回ろうとしているのにまだ食事をとっていないとは、よほどその小動物探しは難航したのだろう

「私もまだですから帰って何か食べましょう」

私がそう提案すると、Aさんが奥から「あの、」と控えめに声をかけてきた

「よければ食べていってくれませんか？
いつもの量は私ひとりじゃ食べきれませんから…」

無理強いはしませんけど、とAさんは最後に付け足す

そういえば前に食べたAさんの料理はなかなか美味しかった記憶がある

「…ではお言葉に甘えて」
「ほら、そうと決まればさっさと上がれよ、島崎！」

なぜか残念なことにAさんにではなく、ショウ君に腕を引かれて私は部屋へ上がった