Unknown ページ6
「Aさん?」
「は、はいッッッ!?!!」
突然後ろから声をかけられ思わず大声を出してしまった
振り返ると昨日相談に行った霊幻さんが少し驚いた顔でこちらを見ていた
「ごめんなさい、びっくりして…」
私が力なくはは…と笑うと霊幻さんはいえいえと笑い返してくれた
ストーカーは必ず朝夕どちらとも私の向かいに立つ
朝から面倒事はいやなので夕方について来てもらうことにした
「ちなみにその男の容姿はどんな感じでしょうか」
「えと、背は霊幻さんより少し低いくらいでしょうか…顔は遠くて全くわからないんです…」
そう、私はストーカーの顔を全く知らない
なのでだいたいの年齢も全く想像がつかないでいた
「ま、会えばわかりますしね」
霊幻さんはにこりとこっちを向いてはにかんだ
全くたいした営業スマイルだ
「大学はどこに在学しているんですか?」
「味玉大学です」
「ほー、良い大学に通っておられますねぇ」
そして私たちはホームにおり、電車を待っているのだが…
不思議なことに朝はいたストーカーがいない!
いつもなら私がホームに立った2,3分後には向かいに来るのに!!!!!(あかん…これすごく恥ずかしい死にたい…)
「すいません…やっぱり私の勘違いだったみたいです…」
ちらりと横に立つ霊幻さんの顔を見て言った
おそらく間違いなく今の私の顔は赤い
「いえ、何事もないならそれが一番じゃないですか!」
よかった…霊幻さん怒ってない…
私は霊幻さんの例の笑顔を見て安堵した
まあどっちにしても依頼料払うわけだからこの人的には何もない方が楽なのだろうが
「ついでなのでAさんのお宅まで送って行きましょうか?」
「え!そんなお手数をかけるわけには…」
「相談所と駅同じなわけですし、大丈夫ですよ」
霊幻さんはとんでもなくできた人だった(なんかお金のこととか腹のうちで色々汚いこと考えててすいませんでした…)
駅からアパートまでの間、隣を歩く霊幻さんの顔をつい無意識に盗み見た
初めは相談する場所を間違えたなどと思ったのだが、この人は何も起こらなかったにも関わらず最後まで私の面倒を見てくれた
私は正しい判断をしたのだと妙に安心した
Unknown 2→←こちら味玉県調味市塩中学校近辺霊とか相談所前 3
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作者名:出島 | 作成日時:2016年9月5日 22時