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S.S. Rush 3 ページ31

「いやー、シーザーが間抜けで助かった」

ははは、と目の前にいる白衣の男が笑う
この男はこの大学の獣医学部の生徒であり、
シーザーというのはさっき俺のことを噛んだ白い犬のことだ(入院中らしい)

「お前なー、よそ見して木に激突する犬がいるかってーの」

シーザーはあの時一旦は俺の手からすり抜けたものの、
こっちを見ながら走ったため目の前にある木に気づかず突撃し、
目を回したところを再び俺に捕獲されたのだ

(どんくせぇやつ…)

白衣の男に抱かれているシーザーに向かって舌を出してやった






「ところでキミはどうしてこんなところにいるんだ?」

男が不思議がって聞いてきた

「…暇なんだよ」

あながち嘘でもない、曖昧なことを言った

男は俺の顔を見つめると、

「キミは見たところ、まだ義務教育のようだけど…
その年でサボりとはなかなか見所あるじゃないか」

と言い、シーザーの体をぽんぽん叩きながら笑った

「あ、そうだ
暇なんだったら僕たちの学部に来ないか?
退屈しのぎにはなると思うよ」







誘われるままに男について行った先は、大学の動物病院であり犬や猫はもちろん、猿や鳥もいた

「大学ってすげー…わけわかんねぇ…」

「こんなのはうちだけだよ」

男がシーザーを檻に入れながら言った
シーザーはさっきので懲りたらしく、大人しくしている

「キミを呼んだ目的はこいつらを見せるためじゃないんだ
僕も犬を飼っているんだけど、最近あまりかまってあげられてなくてね
ぜひ、僕の代わりに遊んでやってくれないか?」

つまり犬の世話をしろってことか…
普段なら断るが今は退屈で死にそうだし

「頼まれちまったらなー
ま、断る理由もないし、いいぜ」

引き受けてやった

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作者名:出島 | 作成日時:2016年9月5日 22時

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