こちら味玉県調味市塩中学校近辺霊とか相談所前 2 ページ4
「ストーカー…ですか？」
目の前の男は一瞬面食らった顔をしたもののすぐに顎に手をあて神妙な顔つきで私の目を見つめてきた
「そうなんです…毎日毎日絶対にその人は私の前に立つんです
ってそれだけの話なんでもちろん警察に言うわけにもいかないし、
多分あなたもつまらないことだとお思いになるでしょうけど…
でも当事者にしてみれば本当に気になって気になって仕方ないんです！
だから私と一緒にその人に何か用があるのか聞いてくれませんか！？」
誰にも言えなかった些細な愚痴をやっと人に言えたという状況によりつい後半荒ぶってしまった…
「まあまあ、とりあえず落ち着いて
おい、モブお茶出してくれ」
その人は特に焦る様子をなく私を両手で制したあと、奥にいる男の子にお茶を出すよう言った
というか私達以外にもいたのか…全然気づかなかった…
「最近は物騒ですからね
女性のそういう被害も増えてきていますから…
もちろんうちはそういった相談も受け付けていますよ
あ、これ名刺です」
なんだか話のわかる人でよかった
ちょっと胡散臭いだけで良い人そう…
「あ、どうも」
人から名刺をもらうなんて初めてで、つい照れ笑いをしながら受け取ったその名刺にはこう書かれていた
霊とか相談所
霊幻 新隆
前言撤回、やっぱりものすごく胡散臭い…！
だいたいこの名字なんて読むの！
(ええと…れいげんさん…？)
少ししたあと、中学生くらいの男の子(確かモブとかいうの)が持ってきてくれたお茶をすすりながらふと横を見ると「世紀の霊能力者」と書かれた霊幻さんがアップで写っているポスターが貼ってあった
私は来る場所を間違えたことを悟った
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作者名：出島 | 作成日時：2016年9月5日 22時
