出ましたっ パワパフボーイ! 2 ページ28
Aの朝は(大学生にしては)早い
理系の大学生は講義でスケジュールがぎっちぎちであるからだ
(あー、昨日飲んで寝たのか…
どうりで気だるい)
しかし部屋は綺麗であり、超能力で家具の配置が変わっているなんてこともない
初めは疲れていたためすぐ酔いがまわり、暴れる間もなく潰れたのだと思ったが
缶が片付いていることと、床で寝息をたてる少年の存在に気づくとAは昨日の晩の一連の出来事を思い出す
(こんな子どもに床で寝させて…悪いことしちゃったな)
つい罪悪感を感じた
それは取り敢えず少年をベッドに移し、簡単な朝食を作りにかかろうとした時のことだった
「…母ちゃん…」
少年の寝言を聞いたとき、Aはこの少年が何者なのか全く知らないことを思いだした
他人の家庭事情を聞くほど無神経なことはないということを知っていたAは
どうすれば少年の心を傷つけることなく情報を得られるかを考えた
(そもそも知ろうとすること自体が野暮なのかな…やっぱり
でもまだ子どもだし…何か私が配慮できることがあるかもしれない)
少年に顔を近づけ、凝視する
その寝顔はあどけないものの、やはりどこか生意気さがぬぐえていない
ついちょっかいをかけたくなったAは人指し指で少年の頬をつついた
「んー…」
少年が眉をひそめ、向こうを向いたことに若干優越感を覚えたAは
(ショウにもプライドがあるだろうし、本人が自分から話すのを待つか)
と、結論づけ、やっと朝食の準備にとりかかったのであった
(ってか島崎さん何やってんのよ、もう)
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作者名:出島 | 作成日時:2016年9月5日 22時