脇役女子が主人公 (ページ49)

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体育祭ページ49

「大丈夫か！？」

「わ」

物間くんから距離を取ってすぐ私の両肩を掴んでマジマジと顔を見てくる。

私が目で「何が？？」と訴えるとホッと胸を撫で下ろした切島。

「や、物間と歩いてっから何か言われてんじゃねえかと思って」

「心配してくれたの？」

「騎馬戦の事もあったからな」

照れ臭そうに頬を掻く切島に胸がきゅんとなった。
優しい…めちゃくちゃ良いやつじゃん。

「結婚する？」

「はあ！！？？」

真っ赤になる切島の顔に思わず笑みが溢れた。

「嘘だよ、冗談」

「っ、んだよそれ…」

かわいいな、純粋？
女慣れしてない感じが可愛い。

「って…着替えないとなんだよね」

「や、まだ時間はあるぜ」

…さっき時間ないって。
あ、物間くんから離すためか。

ならちょっと切島で遊んじゃお。

「切島、切島」

「ん？」

「この服似合ってる？かわいい？」

「は…！？」

顔を赤くする切島が私から目を逸らす。
手の甲で口元を隠しながらチラッと私を見た。

「似合ってんじゃねえか？」

「かわいい？」

「か、可愛い…と思うぜ！！」

お前の方が可愛いよ。
めちゃくちゃ照れてるじゃん。

「ふふ、ありがと」

「おまっ、からかってんだろ…！？」

「いーや？着替えてくるね」

切島と離れて更衣室へ向かう。
他のみんなはもう戻ったのかな？

まだ時間に余裕はあるけど念のため急いだ。

「あ、爆豪くん」

廊下でばったり出会った爆豪くん。
私を見るなり不機嫌そうに眉を下げた。

「似合ってねえ」

「まだなんも聞いてないのに」

酷くない？？
爆豪くんにアドバイスもらって以来、仲良くなれたかなあなんて思ってたけど…どうなのか。

「爆豪くん、見ててね私…ちょっとは成長したから」

そう言い捨てて爆豪くんから離れた。