体育祭 ページ48
「ごめんな、走らせて」
「いいよいいよ、準備運動！」
一位でゴール。
なんか嬉しい、私借り物だけど。
「あっれぇ？可笑しいなあ…もしかして僕の目が可笑しいのかな！？」
回原くんと楽しく話してると爆豪くんと相性最悪の…物間くんがなんかウザい顔でこっちに来た。
なにあの顔…
「回原！？なぜA組の女子と仲良く談笑してるんだい！？」
「別にいいだろ」
「悪いとは言ってないさ！
そんな事より泡瀬が探してたよ、急用だってさ」
チラッと私を見る物間くん。
絶対悪いと思ってるよこの人、怖。
「A、耳貸して」
「ん？」
チラッと物間くんの方を見てから私の耳に口を近づけた回原くん。
「こいつ絡んできたら逃げていいから、ごめんな」
耳元に回原くんの吐息がかかって擽ったい。
少し笑いそうになりながら「わかった」と返した。
回原くんが去った後、私も戻ろうと体の向きを変えた。
「Aだっけ」
いきなり呼び捨て。
びっくりして振り返ると興味津々の物間くん。
「回原がよく教室で君の事話してるからさ！
気になってたんだよね」
「そうですか…」
「ああ別に危害を加えるつもりはないよ」
し、信じられんわ…
話したことなんか無いけどさっきの感じ私たちA組に対して敵意剥き出しだったもん。
「信じてない？
もし君に危害を加えたら回原に怒られるから絶対しないよ」
さっきの騎馬戦の時よりも何て言うか、穏やか。
「分かった」
「よかった、なら少し話さないかい？」
「いいよ」
なぜこんな事に。
物間くんについて歩いてると誰かに腕を引っ張られた。
「A！」
「わ、切島」
「もう最終種目始まっから着替えて来い」
「もうそんな時間？」
物間くんがそう話しかけると頷いた切島。
私の手を引いて歩きながら物間くんから離れた。
「こいつ着替えねえとだから！わりい！」
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作者名：ちらす
| 作成日時：2021年11月13日 1時
