体育祭 ページ37
「すっきりすっきり…あ」
緊張でギリギリにトイレに行ったその帰り。
見たことある後ろ姿を発見。
「回原くん！」
「お、A」
「ひっさしぶりだねえ」
「だな、これから体育祭だぜ」
体育祭緊張する。
回原くんの隣を歩くの久しぶり。
「LINEも送ったけど敵に襲われたっての大丈夫だったか？」
「全然大丈夫。怪我もなし」
笑いながらそう言うと安心したようにほっとため息をついてた。
「今日は敵同士だな」
「うん、頑張ろうね」
「おう」
A組の控え室について回原くんに手を振った。
今日も爽やかだな…回原くん。
誰かさんとは大違…
「おまえには勝つぞ」
ドアを開けた途端、嫌な空気を感じ取った。
「なんかあったの？」
「轟くんが緑谷くんに宣戦布告だよ」
「オールマイトがなんたらこんたら…」
透ちゃんに付け足した電気。
いや、何言ってんのか分かんない。
「つーかトイレ長かったな？うんこ？」
「違うから。もしそうだとしても聞き方」
そういえば轟くんいつも以上に険しい顔。
バチバチのふたりを止めようと切島が轟くんの肩を掴んだ。
「急にケンカ腰でどうした！？直前にやめろって…」
「仲良しごっこじゃねえんだ
何だって良いだろ」
轟くんが気になる。
イケメンだからって理由だけじゃなくて。
なんでいつもあんな顔なんだろ。
「笑ったとこみたいなあ…」
「ん？なにが？」
思ったことがポロッと出てたらしい。
不思議そうに見てくる電気に首を振った。
「何でもない」
デクが轟くんの宣戦布告を受け止めたらしい。
「僕だって…遅れをとるわけにはいかないんだ」
みんなそれぞれの気持ちで、力で。
今ここにいるから。
「僕も本気で取りに行く！」
不思議なことにデクの言葉には重みがある。
たぶん生まれ持った才能みたいな…よく分からないけど。
なんか、すごいよね。
『一年ステージ生徒の入場だ！！』
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作者名：ちらす
| 作成日時：2021年11月13日 1時
