脇役女子が主人公 (ページ4)

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入試ページ4

「今何ポイントだっけ…」

無我夢中でポイント稼ぎしてると分からなくなる。
ここにもだんだん人が増えてきた。

「きゃ…！」

仮想敵に飛ばされた女の子。
その子の元に駆け寄って羽を広げた。

パキッという音と共に背中に痛みが走る。

『死ネエ！！』

羽が折れた。
突然のことに何も思い付かなくなって女の子を巻き込むように転んで避けた。

もう転びすぎて膝血だらけだわ。

「もうやだ、なんで…」

試験で心が折れてしまったらしい。
半泣き状態のこの子を置いて行けない。

『待テ！！』

追いかけてくる仮想敵。

どうしよ、羽は再生できるけど…時間がかかる。
その時パッと視界に入った水溜り。

それに手を伸ばした。

水を掴んで仮想敵の足元に投げる。

勢いよく来ていた仮想敵は突然足元が滑ってそのまま別の場所へ転がる。

壁にぶつかって壊れた。

「せ、セーフ」

「ゔっ、ぐす…」

ついに泣き出してしまった…
知らない私に慰められても困るよね。

なんて言えばいいか分からず、でも放って置けない。

「私、ここにいるから…落ち着いたら立ってね」

ポイントを稼がないと合格できない。
でもヒーローを目指す者として困ってる人を放っておくのは違うでしょ。

最初の方でたくさんポイントは稼いだ。

だからこの子を助けられる距離で残り時間ポイントを稼げばいい。

そうやって過ごすつもりだった。

「うわあああ！！」

「きゃああ！！」

「あ、あれは…0P！！」

たくさんの人間が逃げてくる。
その後ろに見えたのは0P。

「ひいっ」

「逃げなきゃ…！たっ…立てる…！？」

「む、無理…腰が抜けて…」

震えてる…
置いていけない、でもあんなの倒せない。

「乗って、早く…！」

「なんで…」

女の子を背中にのせて走った。
羽が折れてなかった飛べたのに。