脇役女子が主人公 (ページ21)

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委員長ページ21

「とまった…」

ホッとすると同時に自分の今の状態をやっと理解。
男子に抱きしめられてる。

「あ、すみません…何してんだ俺…」

パッと私から手を離して頬をほんのり赤く染めた。

「いや、こちらこそ…本当助かりました」

周りの生徒たちが解散していく中でぺこっと頭を下げた。

「その制服…ヒーロー科ですか？」

「あ、はい…1年A組です」

よく見ると彼の制服もヒーロー科のもの。

「俺、1年B組です」

「1年…同級生？ですね」

クラスメイトの顔と名字すら覚えてない私が隣のクラスの人を覚えてるわけもない。

「あ、同級生ならタメでいい？ですか？」

「うん、全然大丈夫で…だよ」

恐る恐る会話する私たち。
そうだ、何かお礼…

「あのさ、連絡先聞いても良い？お礼したい」

「いや、お礼は大丈夫。無事で良かった」

そう言って微笑まれた。
めちゃくちゃヒーローだ。ヒーローっぽい。

「って、自己紹介まだだったな…俺、回原旋」

「妖花Aです、よろしくね」

回原くん。
笑顔がすごく似合う。

「Aな！あ、お礼は良いって言ったけど連絡先は聞いてもいいか？」

「いいよ」

スマホを出して回原くんと連絡先を交換。
他クラスに友達出来ちゃった。

「A！いた！おい！A！」

回原くんと話してると物凄い勢いで走ってきた電気。
私の肩にガシッと手を置かれた。

「お前小さいから心配したわ…しんど」

「小さ…それは余計」

でも走ってきてくれたんだ。
ただのナンパ男かと思ってたころと比べると全く別人みたい。

「私は大丈夫、回原くんが助けてくれたから」

電気に回原くんを紹介した。