体育祭 ページ44
「はあ！！？？」
「完膚なきまでの1位なんだよ取るのは！！」
「切島痛いってそれ」
頭叩くのはやめよ？？
「さっきの俺単騎じゃ踏ん張りが効かねえ行け！！
俺らのPも取り返して1000万へ行く！！」
「ったく！」
「王様じゃん…」
完璧主義ですか。
でもそういうの嫌いじゃない。
「しょうゆ顔！テープ！！」
「瀬呂なっと！！」
「クソ女！追い風！」
「了解」
大きめの羽で羽ばたくと勢いよく瀬呂くんのテープが巻き取られて進んでいく。
『爆豪！！容赦なしー！！
やるなら徹底！彼はアレだな完璧主義だな！！
さあさあ時間ももうわずか！！』
「次デクと轟んとこだ！！」
喜んでる時間はない。
この完璧主義男の下にいるんだから逃げるなんて選択肢はあるわけない。
追い風を起こしながら進む中、
カウントダウンが私たちの耳に届いた。
『3、2、1…TIME UP！』
ズゴっと落ちた爆豪くん。
上位4チームが発表される中、騎馬を崩して落ちた爆豪くんの隣にしゃがみ込んだ。
「2位だって」
「だあああ！！クソがああ！！」
悔しがる爆豪くんには悪いけど最終種目に出れる事に心底安心してる。
「爆豪くん立ってほら」
「クッソ！！」
昼休憩が始まるので爆豪くんに声をかけた。
クソクソ言いながらも立ち上がる爆豪くん。
「最終種目出れるな！」
ポンと肩に手を置かれて振り向くと満面の笑みの切島がいた。
「だね」
「どうした？」
「え、いや…緊張して」
少し顔が強張ってた。
パチパチと頬を叩いて気を引き締める。
「つーか、お前さ」
「ん？」
どうした？の意味を込めて首を傾げた。
「手大丈夫か？」
「？？…なぜ？」
「いや、何回か握り直してたろ…やっぱ男支えるのってしんどいよな」
「あー、それね」
しんどかったわけじゃない。
ズカズカと歩いていく爆豪くんの背中を見つめた。
「…ちょっとだけね、不安だったから。
切島の手握り直して安心してた」
「…なんだよそれ」
「あっれ、顔赤いよ？」
ニヤニヤしてそう聞くとバッと隠された。
思春期男子だもんねえ。
照れちゃって！
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作者名：ちらす
| 作成日時：2021年11月13日 1時
