検索窓
今日:3 hit、昨日:2 hit、合計:147,303 hit

ページ6

五条「あー、ひとまずいいや。一気に色んな奴と会わせても混乱すんだろ」




夏油「そんな配慮ができるとは成長したな」





俺は上層部に不信感があって。



1年前、『天元様』に関わる任務に傑と就き、天内という少女を守ることができなかったことがある。



そもそも『天元様』の指名とはいえ、あの任務をいち生徒にやらせることも疑問が残っているし、



あの脳筋担任が上層部のアホ共にAのことを報告したら、何も知らない彼女に洗脳することから始めるかもしれない。



だからせめてAに力が付くまでは、俺たちで見守ってやりたいと思うんだ。




家入「ま、五条の言いたいことはわかったわ。ところで服とか買いに行かないとじゃない?家には戻れる?」




五条「マンションの最上階はグッチャグチャ。なんも残っちゃいない」




「…」




夏油「悟」





五条「っと、悪い」





傑から「そんな言い方をするな」と咎められハッとした。



両親を失っただけではなく、思い出すらも残っていないだなんて事実を、今伝える必要はーー確かにない。




「いえ、いいんです。でも」



五条「?」




「買い物、いきたいです。あとその前にマンションに寄ることはできますか」




五条「……ああ、わかった」





「あ、でも私お金が無くて…」




五条「金のことは心配すんな。つか、遺産入るだろ」




夏油「おい、だからそんな言い方をするな」




五条「だぁーもぉー、こーゆーの慣れてないんだっつぅの」




「私は大丈夫です。でも、遺産が私に入るか不安で」




家入「どゆこと?」




「身寄りがないと言いましたが、親戚はいるんです。でも、お父さんとお母さんが遺したものを私にちゃんと渡してくれるか……」




ああ、なるほどね。


そういう闇を見たわけだ。



恐らく、Aの両親と親戚との間で、金銭トラブルがあったのだろう。

で、こいつはそれを見て親戚を頼りたくないと言ったのか。




五条「そういう心配ならいらない。五条家に腕の立つ顧問弁護士がいる」




家入「ひゅー!さっすがぁ」




五条「お前の両親が遺したものを、お前が嫌いな奴らに渡したりしないようにする。だから安心しな」




遺書があれば一番だけど…んで遺留分はしゃーないとしても…と頭の中で考えていると、Aが初めて俺の前で微笑んだ。





「五条さん、何から何までありがとう」




.

・→←・



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.9/10 (154 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
547人がお気に入り
設定タグ:呪術廻戦 , 五条悟
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

この作品にコメントを書くにはログインが必要です   ログイン

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:佐々 | 作成日時:2021年1月20日 13時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。