気づき ページ12
2007年7月中旬。
2週間前に3級呪霊を倒してから、自分の呪術が何なのか明確に分かってきた。
自然界にも呪力というのは発生していて、それを操ることができるのだ。
そして、硝子さんに反転術式の説明を聞き、なんとなく挑戦してみたところ、自分の傷を治すことに成功した。
五条「……マジ?」
「…?」
それを先生に報告すると、サングラスを外して「信じられない」という表情。
「私の解釈、間違ってますか?呪力はそもそもマイナスの力だから、マイナスである呪力を体内で掛け合わせて、それがプラスの力になる」
五条「いや、合ってるけど。合ってるけど…その解釈をして、すぐやってみようと思ってできたわけ?」
「…はい。普通はできないんですか?」
五条「A、ナチュラルボーン煽リストだね」
「なちゅ…?」
五条「…俺でさえできたの1年前だぞ」
先生がボソ、と呟いたのを聞き逃さず、私は少し嬉しく思った。
確かに、硝子さんも驚いていた。
「え?今の説明で理解したの?」と。
もしかしたら、他の人にできないことを私ができたのかなと思ったのだが、先生は神妙な表情で考え込んでいる。
「…先生?」
五条「あ?ああ…悪い。うん、これは素直に凄いことだよ。ただ」
ただ…、なんだろう。
私は気になって先生を覗き込む。
五条「…いや、いい。Aが気にすることじゃない。でもその能力のこと、俺以外に知ってる人はいる?」
「硝子さんと…あとその時、傍に傑さんもいました。会話には入ってこなかったけど」
五条「傑と硝子だけ?ああ、そうか。まだ担任にもAのこと話してねーんだよな、俺」
私は喜んでいたけど、先生は嬉しくないみたいで。
つい不安そうな顔をそのまま出してしまった。
すると、すぐに先生は私の頭を撫でた。
五条「悪い。Aの力を知ったら、上の連中がすぐにでもAのことを呪術師として働かせるような気がしてさ。俺はまだ、Aを表に出したくないんだよな」
「…上って?」
五条「上層部。呪術師も政治家みたいに色々あんだよ」
「そう、なんですか…」
五条「まあとにかく、反転術式ができるってことは凄いことだから、自信持っていい。先生がご飯に連れて行ってあげよう」
「ほんとですか!やったぁ!」
五条「何がいい?」
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作者名:佐々 | 作成日時:2021年1月20日 13時