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出会いは戦場で ページ3

(今のは……)

晋作「……おい」

(二人の男。あの声は……)

晋作「A!」

「っ!」

耳元で響く厳しい声。
目を開けると、晋作が険しい表情でAを見つめていた。




「晋作?」

晋作「ぼーっとしてんじゃねえ!」

焦ったような声で、彼がそう言った次の瞬間、重々しい地響きが耳をつき、一気に現実に引き戻される。




「……っ!?」

イナバ「どうなってんだ!?」

騒音に、Aは両耳を押さえる。

視線を向けると、すぐそこで甲冑を身につけた大勢の武士が刀を振るっている。
ぶつかり合う刀の金属音に混じって聞こえてくるのは、馬の嘶きや男共の怒号。




(なんでこんな大きな音、気がつかなかった!さっき見たあれのせいか!?迷惑!)

イナバ「とにかく、どっか近くに護人がいるはずだ!
探せ〜!」

(阿呆だ。阿呆がいる。
死にたいのか、このうさぎ)

一直線に戦の真っ最中に飛び出そうとするイナバ。が、慌てた様子の晋作に首の根を掴まれ引き戻される。




晋作「バカか!死にてえのか!」

イナバ「けど、早いとこ護人を見つけねえと〜!」

晴明「……とは言え、戦中のようですね。
見つかるかどうか」

晋作「テメーはなんでそんな冷静なんだよ晴明ッ!
頭良いヤツは皆そうなのか!?おかしいだろッ!」

ぎゃんぎゃんと、ここぞとばかりに騒ぎ立てる晋作。

取り敢えず巻き込まれる前に岩陰に……と、Aが近くの大岩に目を向けた時、目の前の軍勢から眼帯を付けた男が飛び出してきた。





眼帯の男「どけえええ!」

「!」

イナバ「お、おい!こっちに来るぞ!」

晋作「A!」

立ち竦むAの腕を、晋作が強く引く。




眼帯の男「戦場に女!?」

駆けてきたその男は、Aを見て足を止めた。




「……っ」

眼帯の男「こんなところで何やってんだ、怪我しても知らねえぞ!?」

小さく息を呑むAに対し、男はAを一瞥したかと思うと声を張り上げ、勢い良く駆けていく。




(殺さないのか。親切にわざわざ忠告まで。……まあ、敵追う方が先って感じか)

ほっと肩を落とす。
自覚はなかったが、知らぬ間に緊張していたらしい。

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ささかま(プロフ) - かなとさん» ご指摘ありがとうございました。不快な思いをさせてしまい、申し訳ありません。以後、気をつけます。 (2019年9月21日 17時) (レス) id: b0b2c550c2 (このIDを非表示/違反報告)
かなと - 編集画面の関連キーワード入力の下の注意をよく読みオリジナルフラグをお外し下さい違反です (2019年9月21日 17時) (レス) id: 1e7c2ecc39 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ささかま | 作成日時:2019年9月21日 17時

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