森蘭丸の信長像 ページ17
晋作「すげえな！」
晴明「しかし、まだ未完成のようですね」
イナバ「これで海を渡れんのか〜！」
口々に感想を言う晋作達。
彼らを前にして、蘭丸は誇らしげに胸を張る。
蘭丸「信長様はこの海を渡り、他国へ自由に行き来しようとしているのです。
初めてそのお考えを聞いた時、胸が打ち震えました。
長い歴史の中で、誰も成し得たことがない……奇跡のような未来を、あの方は描かれる」
イナバ「ほんとにそんなことできるのか〜？信長ってすっげーな！」
蘭丸は驚くイナバに微笑みを返し、遙かな水平線に視線を移す。
蘭丸「この国では、太陽が昇らなくなってから、作物が上手く育たなくなり……このままでは、近い将来飢饉が起こることは避けられません。
信長様は、他国の進歩した技術をこの国に持ち帰ろうとしているのです」
希望に満ちた眼差しで、蘭丸は船を見上げた。
晋作「それなら、そのための船って町のヤツらに言った方がいいんじゃねえか？」
イナバ「そうだな。町の人も不安がってたぞ〜！」
不思議そうに問う晋作とイナバに、蘭丸は凜とした声で返す。
蘭丸「信長様は、多くを語られる方ではありません。
語られたところで……あの方の頭の中にある未来を、全て理解することは難しい」
「……」
蘭丸「信長様は道を示してくださる……。私達は、それを信じて着いて行けば良いのです」
誇らしげに言い切る蘭丸の瞳は、茜色を反射してきらきらと輝く。浅瀬で遊んでいたはずのAは、何故か不安そうにじっと目を凝らし、彼のその真っ直ぐな瞳を探っている。
蘭丸「信長様のすることに、間違いはないのですから」
ぞわっ。
嫌な風に、鼓膜が震える。
「……っ」
イナバ「蘭丸は信長のこと、心から尊敬してるんだな〜」
蘭丸「無論です。
信長様に楯突く者は、例え神でも許しません！」
……正気か？
純粋なその声に、鳥肌が立った。
Aの心情などつゆ知らず。蘭丸は胸を張り、真剣な面持ちで思いを語る。
するとそこへ――。
(この重い足音は……)
信長「……」
蘭丸「信長様！」
特徴的な音と共にやって来た信長の元へ、蘭丸は嬉しそうに駆け寄っていく。
……これ、森くん信長サマに怒られないかな。なんで命令に背いてるんだ？って。
織田信長って元の世界では残虐非道って聞いたし、森くんが他人とは言え、人間が目の前で叩かれたり斬られたりするの見るのは……嫌なんだけどなぁ。
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ささかま(プロフ) - かなとさん» ご指摘ありがとうございました。不快な思いをさせてしまい、申し訳ありません。以後、気をつけます。 (2019年9月21日 17時) (
レス) id: b0b2c550c2 (このIDを非表示/違反報告)
かなと - 編集画面の関連キーワード入力の下の注意をよく読みオリジナルフラグをお外し下さい違反です (2019年9月21日 17時) (レス) id: 1e7c2ecc39 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ささかま | 作成日時：2019年9月21日 17時
