それは砂糖菓子のように。<JM.> (ページ3)

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他のメンバーにも同様にメイクを施す彼女の姿をまじまじ眺めつつ、当時の事も思い出すなどしていた。

Aは、率直に言えば努力家だ。探究心の塊と謂うか。

俺とテヒョン、Aの三人は同じ高校ではあったものの、学校では彼女と余り話した事は無くて。
それでもダンスのレッスン後に、行き帰りの道中に在る人気の居ない公園で、一人黙々とその日覚えた振りを復習している姿を何度も見掛けていた。

何時しかそれが脳裏に焼き付くようになり、ある日のレッスンの際に思い切って声を掛け、友人同士にはなれたものの……互いに卒業し会う事も無くなり、自然と疎遠に。

それから自分達がデビューし、何度目かの歌番組で。
そう、先程話していた歌手として、――Cyan(シアン)として、彼女も居たのだ。
逃げるようにステージから去っていった後、そのままAの姿は見当たらなくなってしまった。
その為声を掛けられず、結局それ以降彼女が歌手として表舞台に出る事は無くなり、再び疎遠になった。
俺は酷く後悔したのをよく憶えている。

だからこそまた、こうして会えたのが、素直に嬉しい。

そんな事を考えながらぼんやりと眺め続けていると、メイクを終えたばかりのジン형(ヒョン)が隣に座り、俺の顔を覗き込んできた。
ああ、これはからかわれるフラグだ。

「どうしたジミナぁ。あの子が気になるのか」
「わあ、형(ヒョン)。暇人なんですか、やめてください」

肩を組み、続けて耳元でひそひそ話をしてこようとするジン형(ヒョン)を押し退け全力拒否。
あの、やめてほしいです、형(ヒョン)。知ってたけれど。
押し問答をしているうちにAと、彼女からメイクを施されていたテヒョンが此方へ視線を向け、俺たちの様子に笑っているようだった。
その笑顔に釣られ俺も笑ってしまうと、再びジン형(ヒョン)がからかってくる。

「お、デレデレして。こら、형(ヒョン)を無視するな」
「デレデレなんかしてませんって、離れてもらっていいですか」
「やー！年上に向かってそんな態度して……！」
「ちょっと、형(ヒョン)……！」

徐にジン형(ヒョン)との手押し相撲が始まった。横でジョングクが手拍子をしながら野次馬、ホソギ형(ヒョン)は遠くから応援してくるしで。

もう。可愛い子を眺めるくらい、良いでしょ！