やっと、また。 ページ1
――
「あ、れ。……君は、」
自分でも出した事が無いのではないかと思う程の声が漏れた。
今日は歌番組の収録の日。
俺はメンバーと一緒に慣れた様子でぞろぞろと控え室に入り、これからメイクをしてもらおうとした矢先の事であった。
「今回メイクの担当をさせていただく、Aです。宜しくお願いします」
視界に入る人物に思わず、えっ、と素っ頓狂な声を上げ二度見してしまう。
見覚えしかないし、聞き覚えしかない。まさか今度はこんな所で会うだなんて。
――A――彼女は俺の同級生で、かつてダンスのレッスン先も同じだった人だ。驚きと喜びに突き動かされ、俺は無意識に声を掛けた。
「僕、ジミンなんだけれど……覚えてるかな」
「え?……あの、パク・ジミン?」
「そう、クラスメイトでレッスンも一緒だった。元気そうで良かったよ」
「ジミンの方こそ、凄く格好良くなっちゃって」
照れ臭いながらも、うんうん、とAに何度も頷いて見せる。
ふんわりと微笑む彼女の表情が何とも可愛らしい。高校の頃に見たそれと何ら変わらない。
俺の事を思い出してくれたようで、他愛の無い談笑を少しばかり。
ふと、少し気になった事があったので、メンバーの中でも我先にとメイクを施してもらいながらある事を問う事にした。
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作者名:雛月 | 作成日時:2021年11月11日 23時