ANNIVERSARY 1 S×R

ANNIVERSARY5 ページ5

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ふいに楽屋で目撃してしまった、

テレビ雑誌の俺たちのページを見て
とめどなく涙を流す廉の姿。



その場で声をかけられるはずもなく、
気づかれないように
ひっそりと立ち去った。



その光景を見てからというもの、
ずっと行き場のない怒りのような
思いが頭の中を駆け巡っている。





何でそのページ見て、
そんな切なそうに泣いてんだよ。

俺のこと、ズタボロに
フったのはお前だろーが！！！






あんなに大好きだったのに。

信じていたのに。


名古屋に居た頃は、
女の子から告白されて気が向けば付き合ったりしていたが、
俺が相手に執着心が全くない事がわかると、大抵直ぐにフラれた。

どの女の子と付き合っても、
同じだった。

来るもの拒まず、
去る者追わずの日々。

人を好きになるという感覚がわからず、
俺って恋愛には向いてないんだ、
と勝手に思い込んでいた。




そんな時に、廉と出会った。




人見知りで最初はなかなか心を開いてくれなかったが、仲良くなってからは別人のように甘えてきて。


誰よりも純粋で、裏表がなくて、真っ直ぐな心。

不器用だけど、それを上回る努力の才能を持ち合わせている力強さ。




そんな、廉の全てに、惹かれた。

性別なんて、関係なかった。

廉の前では、
自分が心の底から自然体でいられた。



毎日同じ時間を過ごして、
楽しくて楽しくて。

廉をもっと俺だけのものにしたくて。




誕生日プレゼントを買い合った日の夜、思い切って告白したら、
まさかの廉も同じ気持ちだった。


恋愛ドラマのようなカッコ良さは
全くなく、
ただお互いめっちゃ好きやと言い合うだけ。


不恰好な告白に、2人で爆笑した。


何も飾る必要のない、
俺たちらしくてサイコーだと思った。



廉と付き合い始めて、
これが世の中の人達が言う
「恋をする」
ということなんだとわかった。



一緒に居るだけで心が躍る。

手なんか繋いだらもう心臓バクバク。

キスしたら、
もう2度と離したくなくなって、
ファーストキスなのに廉を
酸欠状態にしてしまった。


身体を繋げたら、
愛しい想いが溢れすぎて、
俺は一生コイツと生きていくんだ、
と覚悟を決めた。


その想いを告げると、
恥ずかしそうにしながら廉も
頷いてくれて。



人生で1番ダントツに幸せな日々。



当然、廉も同じ気持ちだと、
信じて疑わなかった。







それなのにーーー







その日々は、
あっけなく崩れ去る事となった。





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