検索窓
今日:10 hit、昨日:4 hit、合計:354,984 hit

ANNIVERSARY13 ページ13




「・・・廉、
岸くんの事が好きなのか?」


「ハァ?!んなわけないやろ!
俺がずっと好きなのは・・・」



そこまで言って、
ハッとした顔で口を噤む。



その様子を見て、廉が雑誌を見て涙を流していたシーンが頭に蘇った。





勇気を出して、核心に迫る。





「廉、好きな奴いんの?」


「・・・居るわけないやん」



吐き捨てるように言い、
プイッと顔を背けてしまう。

しかし心なしか、
顔が赤いように感じるのは気のせいか。



「・・・本当に?」

「当たり前やろ。今俺ら大事な時期なのに、
そんなん考えてる余裕ないわ」



この話はこれでお終いだと言わんばかりに、くるりと身体ごと背を向けられてしまった。

どうも、本当の事を言ってない感じがする。

しかし、背中を向けたその姿がまるで会話を拒絶しているようで、
これ以上聞ける雰囲気ではない。



「あー、何か今日は疲れたなぁ。
優太のお言葉に甘えて帰るか」

「・・・」

「じゃあな。助けてくれて、ありがとう」

「お、おう」



廉はちらりとこちらを見て礼を口にして、
そのまま歩きはじめた。


俺と廉の家はここから逆方向なので、
後ろ姿はどんどん遠ざかっていく。



その小さくなる姿を見つめているとーー





頭の中でいくつかの場面が
フラッシュバックしてきた。





今日久々に向けられた沢山の笑顔。

先輩に触られて助けを求めてきた
縋るような視線。

暗い中でもわかるほど照れた様子。



先日の、楽屋で雑誌を見てハラハラと涙を流す姿。




そして・・・




ーー俺、紫耀のこと、めっちゃめちゃ好きや!!!ーー





真っすぐに愛情をぶつけてきてくれていた若き頃の想い出。





色々な廉の姿が頭の中を駆け巡り、

抑えきれない感情が溢れ出してくる。









ーーー廉っ!!!









気づけば、足が動いていた。






遠ざかっていた廉の後ろ姿に向かって
全力で駆け寄りーーー








ぎゅううっと、


背中から、抱きしめた。








ANNIVERSARY14→←ANNIVERSARY12



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 10.0/10 (516 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
772人がお気に入り
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

まつはま(プロフ) - れん。さん» ありがとうございます(^^) 楽しみにしていただけて光栄です、頑張ります! (2019年2月8日 22時) (レス) id: 7f2fd8b40d (このIDを非表示/違反報告)
れん。 - こちらこそお返事ありがとうございます。見れないのは残念ですが、次の作品も楽しみにしてます。これからも頑張ってください! (2019年2月4日 15時) (レス) id: 15d47c779b (このIDを非表示/違反報告)
まつはま(プロフ) - れん。さん» すみません忙しくて返信遅れました。番外編はR18フラグ有りの作品の為、こちらのR18フラグ無しの作品からはリンク貼れないんです。ご要望にお応え出来ず申し訳ありません。これからもフラグ無しの作品も書いていきますので、そちらを楽しんで頂けると幸いです。 (2019年2月3日 22時) (レス) id: 7f2fd8b40d (このIDを非表示/違反報告)
れん。 - もし宜しければANNIVERSARY番外編のリンクを貼っていただけませんか?ログインができないので… (2019年2月2日 2時) (レス) id: 15d47c779b (このIDを非表示/違反報告)
まつはま(プロフ) - ゆうさん» 良かったです(^^)応援していただきありがとうございます、これからも楽しんでいただけるよう頑張ります! (2019年1月30日 20時) (レス) id: 7f2fd8b40d (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:まつはま | 作成日時:2019年1月21日 21時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。