追及 ページ41
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そんな緩やかな雰囲気も束の間、コナンが小さな声で話しかけてきた。
「謎はまだ解けてないよ」
利発そうな顔立ちが印象的な彼は、きっと凛々しい瞳でこちらを見つめている。
「まだ解けていない？」
霧立が聞き返すと、コナンは頷いた。
「携帯電話だよ、亡くなった社長の。まだ見つかってないんだ」
「犯人が証拠隠滅のために持ち去ったんだろう？」
「それはどうだろうね」
そのとき、わざとらしいほど訝しげな顔をした安室が、話に加わってきた。人の良さそうな目の奥には冷静な光を灯している。
「何の話をしているんだい？」
「どうやら、私は疑われているようでね」
霧立は、これまた大袈裟に苦笑いしてみせた。しかしその笑みは、コナンの次の一言によって消え失せることとなる。
「来客名簿にあった『三条杏子』って名前。霧立さんだよね？」
「どうして？」
コナンは質問には答えずに続ける。
「そういえば、クリーニング店の店員さんが霧立さんのことを褒めていたよ。綺麗な脚だって」
「……それはどうも」
訳が分からないといった様子だったが、彼女は突然ハッとした表情になった。それを見て、コナンは自信ありげな笑みを深める。
「店員さんすごいよね。だって、霧立さんの脚はドレスの裾で見えないのに」
ついに、安室の眉がひくりと動いた。
「もしかして……霧立さん、着替えたの？ 潜入捜査だったんでしょ？」
「ああ、着替えたさ」
コナンの質問攻めに、霧立は観念したように答えた。
「こいつを隠すためにね」
右側の裾を素早く捲り上げ、拳銃を取り出す。
「他に、何か？」
「クリーニング店で使った名前。風見刑事の名前を使ったでしょ？ 何でそんなことする必要があったの？」
その問いには、霧立も言い淀んでしまった。ちらと風見を見ると、彼はすべてを承知したかのように視線で頷く。
「あー……それは……」
だがそのとき、コナンの小さな体が勢いよく持ち上げられた。
「こら、何をうろちょろしてるんだ、お前は。そろそろ帰るぞ、蘭も待ってるからな」
毛利小五郎だった。彼はコナンを怒鳴り付けると、霧立と風見に軽く頭を下げる。
「すまねぇな、うちの坊主が野暮なことを訊いて」
「え……」
思わず息を飲んだ。娘の蘭から話を聞いたのかとも思ったが、それならばコナンも知っているはずだ。
「どうして……」
「態度で何となく、な」
「ご明察の通りです。……実は、先日婚約致しました」
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夢主の趣味は読書。
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長谷夏子(プロフ) - たんぽぽ珈琲さん» コメントありがとうございます。そろそろ佳境ですので、更新頻度を上げて頑張りますね。よろしくお願いいたします。 (2018年11月10日 7時) (
レス) id: 19bd7edd69 (このIDを非表示/違反報告)
たんぽぽ珈琲(プロフ) - わーやっぱり私の頭では迷宮入りしてしまう殺人事件でした。次の話が待ち遠しいです。 (2018年11月10日 1時) (レス) id: 24c9be7e32 (このIDを非表示/違反報告)
たんぽぽ珈琲(プロフ) - 長谷夏子さん» そういえば書いてありましたね(汗) ちょっと頭を捻ってみます。 (2018年10月18日 20時) (レス) id: 24c9be7e32 (このIDを非表示/違反報告)
長谷夏子(プロフ) - たんぽぽ珈琲さん» この作品にもコメントしていただいて、大変嬉しく思っています。名前には数字と時間帯を入れてみました。ネクストコナンズヒントは「ハイヒール」ですよ(笑)応援ありがとうございます。精進して参りますのでよろしくお願いいたします。 (2018年10月18日 18時) (レス) id: 19bd7edd69 (このIDを非表示/違反報告)
たんぽぽ珈琲(プロフ) - え、えーっ。そんないきなりそう聞かれても困っちゃいますね……名前に数字が入っていることくらいしか分かりません（涙） 犯人が誰なのか気になりますね。作者さんの作品全て応援してます！ (2018年10月18日 17時) (レス) id: 24c9be7e32 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：長谷夏子 | 作成日時：2018年7月26日 12時
