秘書 ページ28
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「それでは、亡くなった社長についてご存知のことを教えていただけませんか」
一之瀬朝子の目は、霧立が見たときのように赤くなってはいなかった。彼女はあくまで毅然とした態度だった。他の二人と同じように捜査には協力的だったが、彼女にはあまり萎縮した様子は見られない。
「私は社長と恋仲でした。話して回るつもりもありませんが、隠しているつもりもありません」
「そうでしたか。では、社長が何かトラブルに巻き込まれていたというようなことは？」
「気の短い人ではありませんし、それに彼は冷静な人でした。まあトラブルは……相手にもよるかもしれません。世の中には色々な人がいます」
淡々とした受け答えだった。話し方からだけでも、彼女が賢く聡明な人物であることが分かる。
「今日の午後三時頃から四十五分まで、どこで何をなさっていたか、もう一度お願いします」
「社長に頼まれ、一番奥の部屋で探し物をしていました。ある社員の情報です」
「どなたの情報です？ そしてなぜそんなものがこのホテルに？」
「それが、誰のものかは私も知りません。その人物はこのパーティーの参加者だということなので、招待状と照らし合わせるために準備されていたのです」
彼女の言葉は気になるが、問題は明確なアリバイがないことだ。
「ちなみに、今日はハイヒールの靴はお召しですか？」
「はい。ですが、足が痛くならないように履き替えるので、ずっと同じ靴を履いていたわけではありません」
「サイズは？」
「二十五センチです」
その途端、小五郎の眉がひくりと動いた。一之瀬朝子の靴のサイズは、現場に残っていた足跡のサイズと同じものだった。だが刑事たちは態度を変えず、あくまで親切に彼女に接する。
「失礼を承知でお訊きしますが、社長との仲はいかがでしたか」
「自分で言うのもどうか分かりませんが、上手くいっていたと思っています」
不躾な質問だったが、彼女は感じよく答えた。
「なるほど、ありがとうございました」
これで三人の事情聴取はすべて終わった。現段階で明らかに疑いが深いのは、間違いなく秘書の一之瀬朝子だろう。
刑事たちは彼女の身辺を洗うと同時に、彼女についてパーティー客や隣接されているショッピングモールへの聞き込みをすることに決めた。
「私は行かないでおくよ。刑事とはいえ、私も重要参考人であることには変わらないからね」
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夢主の趣味は読書。
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長谷夏子(プロフ) - たんぽぽ珈琲さん» コメントありがとうございます。そろそろ佳境ですので、更新頻度を上げて頑張りますね。よろしくお願いいたします。 (2018年11月10日 7時) (
レス) id: 19bd7edd69 (このIDを非表示/違反報告)
たんぽぽ珈琲(プロフ) - わーやっぱり私の頭では迷宮入りしてしまう殺人事件でした。次の話が待ち遠しいです。 (2018年11月10日 1時) (レス) id: 24c9be7e32 (このIDを非表示/違反報告)
たんぽぽ珈琲(プロフ) - 長谷夏子さん» そういえば書いてありましたね(汗) ちょっと頭を捻ってみます。 (2018年10月18日 20時) (レス) id: 24c9be7e32 (このIDを非表示/違反報告)
長谷夏子(プロフ) - たんぽぽ珈琲さん» この作品にもコメントしていただいて、大変嬉しく思っています。名前には数字と時間帯を入れてみました。ネクストコナンズヒントは「ハイヒール」ですよ(笑)応援ありがとうございます。精進して参りますのでよろしくお願いいたします。 (2018年10月18日 18時) (レス) id: 19bd7edd69 (このIDを非表示/違反報告)
たんぽぽ珈琲(プロフ) - え、えーっ。そんないきなりそう聞かれても困っちゃいますね……名前に数字が入っていることくらいしか分かりません（涙） 犯人が誰なのか気になりますね。作者さんの作品全て応援してます！ (2018年10月18日 17時) (レス) id: 24c9be7e32 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：長谷夏子 | 作成日時：2018年7月26日 12時
