▼First victim ページ19
あれから数時間。
まだ誰も殺されていないが、誰かが殺されていてもおかしくない時間となった。
ちなみにだが、コウの監視は未だに外れていない。
もう結構時間経ってるからそろそろ解放してくれてもいいのにな…
『…コウは私のセ◯ムか?』
コウ「は?」
『いや、ストーカー並みにずっとついてくるからつい』
コウ「ふざけんな、お前が安全と判断するまでだ。」
『へぇ、つまり一生私を守ってくれるのか。ワー、サスガコウクンカッコイイナー…』
コウ「なんで棒読みなんだ。というか、お前一回寝ろ。」
『なんでだよ』
コウ「テンションが完全に6徹の奴だ」
『1徹もしてないし、“ねる◯るねるねは魔法だ”とは言わないぞ?』
コウ「ねるねるね◯ねの話なんかしてないだろ」
『今した』
お互いが疲れてきたせいで、こんな感じのしょーもない会話を5回ぐらい繰り返してるんだが。
誰かコウを寝かせてくれ… ←お前が寝ろ
そうしてふざけていられたのも束の間。
「キャー!!!」
ついに、最初の狼が動き始めた。
コウ「悲鳴か…?」
『下の方から聞こえた気がする』
コウ「とりあえず行くぞ」
教室にいた私達は、ミサキさんのものと思われる悲鳴を聞き、急いで下に降りる。
下に着いた頃にはもう殆どの人達が揃っていた。
そして、集まった全員が唖然としながら一点を見つめている。
その視線の先にあったのは…
『み、ミホ、さん….??』
植物に埋もれながら横たわっているミホさんの姿。
胸辺りが赤い液体で染められており、目は完全に白を向いている。
心の中では「私じゃなくてよかった」という安心と「さっきまで生きていた人が死んでいる」という恐怖が混ざり合い、複雑な感情が生まれていた。
それは私だけではなく他の人もきっとそうだろう。
…これが、本当に“狼ゲーム”が始まってしまった合図。
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