▼Prologue ページ1
朝、憂鬱な気分になりながらも布団から身体を出す。
部屋から出ると、そこには父さんもお母さんもいない。
私は顔を洗った後、セーラー服を身に纏い、パンを咥えながら家を出た。
学校に着き、靴箱を開ける。
目に入るのは上靴の中に大量に入れられた画鋲と、大きな字で「死ね」と書かれた紙。
教室に入るとバケツの水をかけられる。もちろんカバンの中も濡れてしまった。
机には「ゴミ」や「バカ」等の悪口。机の中には泥や生ゴミが入っている。
昼休み、お弁当の蓋を開ければ中からは虫が出てきた。予備でコンビニのパンを買っていて正解だったと思う。
体操服に「消えろ」と書かれており、それを隠すためにジャージを着ると先生に脱げなどと怒られた。
時は過ぎ放課後。
帰宅部である私は、急いで帰る準備をして教室から出る。
廊下を歩いているといつも通り、ありもしない事を理由に悪口を言われる。
門の前では生徒指導のおっさんが存在しない校則を理由に文句を言ってきた。
流石にそれは人としてどうかと思ったので、おっさんの前で学校の校則を1から全部暗唱し、それでも文句を言うおっさんを無視しながら学校を出る。
ここまでが私のいつも通り。
学校から出て、しばらく歩いたところに人通りの少ない大きな公園がある。私はその薄暗い場所を歩いていると、どこからか気配を感じた。
少し嫌な予感がしながらも振り返る。
そこには狼の仮面を付け、フードを被っている怪しい人がいた。
『…なんのつもり?』
「お前の兄がした事をわかってるか?」
はぁ?なに、まだ言ってんのこいつ。
アイツの事を私に問いただしてくる奴いるけど私は無関係だと何回も言っている。
『私をあんな殺人鬼と一緒にしないで。アンタに何がわかる?』
「…お前もわかってないんだな。」
“お前も”って事は私以外にも何人かいる…?
そもそも私とアイツの話が噛み合ってない気がするんだけど。
というかわかってないって…
『何のこt……あ”ぁっ!!』
何の事なのかを聞こうとする前に、私は謎の人物に気絶させられてしまった。
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