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ここ数日の記憶が無い。なんて都合のいいことは無かった。死にたい。
目の前に座っているメガネの男性…沖矢昴さんと言うらしい。私がここに至るまでの経緯を話してくれた。
2日前の夜、長時間雨に打たれていた私は、通りかかった沖矢さんに拾われた。ここまではまぁ覚えている。
そのあと、低体温症を引き起こさないためにシャワーで暖め、そしてベッドで休ませる。
案の定風邪をひいた私は、沖矢さんに今まで看病されてきた…という訳だ。
ここ!最高に恥ずかしいポイント!!
正直、服を脱がされ身体を見られたことはこの際どうでもいい。なんなら申し訳ないごめんなさい不快なものを見せてしまって。
沖矢さんを母と勘違いして恥ずかしいことを言ってしまった!
たしか、手を頬に持ってきたことも…
ここまで考えてボンッとオーバーヒート。
やめよう。また熱をぶり返す。
すると、沖矢さんにもう一度謝られる。顔が赤くなっているのは身体を見られたからだと勘違いしているのでそれは問題ないです!と否定をしておいた。
「問題おおありですよ?」
と、怪訝な顔で返されてしまった。うう…ごもっともです…
ふと、いい匂いが鼻をかすめる。
匂いの元を辿ると、沖矢さんの傍に置いてあるものに目がいった。
お粥が置いてあることに気づくと、くぅ、と細い声でお腹が鳴った。
「あ、あぅ、ごめんなさ…」
「ふふ、貴方にはお聞きしたいことがたくさんありますが、まずは朝食と致しましょう。」
くす、と上品な笑みを零したのを見て更に赤くなった顔を両手で隠す。
この恥ずかしさをどうにか紛らわせたい!と話題を必死に探す。
けど全然頭が回らない…!
「はい、星野さん。あーんしてください」
それはごく自然に行われた行為。
れんげからホカホカと湯気がたつ。
床にこぼれ落ちないようにとお皿の手にして下で構えている手
「え、あの…っ」
やっぱり熱がぶり返したんじゃないだろうか。
顔がとても熱い。原因は沖矢さん。
昨日まではお母さんに見えていたから普通に食べれたものの、意識がはっきりしている今とっても恥ずかしい。
なのにこの人は平気でそういうことをやるものだから…
自分で食べれますと言おうとしたけど、せっかく看病してくれてるのにそれはないんじゃないか?と脳がストップをかけた。
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れりー - ガニモスさん» はじめまして。応援ありがとうございます。続編もよろしくお願いします。 (2022年5月15日 18時) (レス) id: 81bbceea4f (このIDを非表示/違反報告)
ガニモス(プロフ) - コメント失礼します。いつも楽しく閲覧させていただいております。今後も更新頑張ってください。 (2022年5月11日 23時) (レス) @page39 id: 641fd1fa7b (このIDを非表示/違反報告)
月雨(プロフ) - れりーさん» ベルベットというお酒があるのですね!勘違いをしてしまい申し訳ございません!これからも更新頑張ってください!応援しています! (2022年5月11日 15時) (レス) id: cfd9189861 (このIDを非表示/違反報告)
れりー - 月雨さん» 即座に直しました。教えてくださりありがとうございます!ベルモットではなくベルベットというお酒を見つけて名付けていました。紛らわしくて申し訳ございません。これからもよろしくお願いいたします。 (2022年5月11日 1時) (レス) id: 81bbceea4f (このIDを非表示/違反報告)
れりー - 花音さん» はじめまして。ありがとうございます。応援ありがとうございます。これからもよろしくお願いいたします。 (2022年5月11日 1時) (レス) id: 81bbceea4f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:れりー | 作成日時:2022年5月5日 22時