【名探偵コナン】自己評価低めの女子大生を沖矢昴が褒めていくことでプラマイゼロにする話

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ひやり、と冷たいものが額をおおう
それに釣られて目を開けたら、そこには大好きなお母さんの姿があった。
お母さんは私が目を覚ましたことに気づくと、微笑みを浮かべて心配そうに覗き込んだ。

｢大丈夫？｣

頭を撫でられる。
全身が熱でおかされている私は、お母さんの平熱でさえ冷たく感じ、心地が良くてまた眠ってしまいそうだった。
こんな風に優しくされたのはいつぶりだったか。
最近は、成績があまり良くなく…いや、良くはあるがキープしたまま上にいけないままで、常に冷たい視線を送られてきた。
だから、今この時はとても祝福の時間。すぐ眠りにつくなんてもったいないことするものか。
ずっと起きて、治るまで起きていて、この優しさを感じていたい。

撫でられる感覚が離れていき、まだまだ物足りない私はその手を掴んで自分の頬に寄せる。
妹ばかり見ないで、私を見てほしい。

｢おかあさん…｣

今お母さんは、私を見ている。私を気にかけている。優しくしてくれている。
____ああ、大好きなお母さん。
自然と涙が零れる。ねえお母さん、私もっともっと頑張って、お母さんの期待に応えるから。
今だけ、いっぱい優しくして。


｢今まで良く頑張ったわね。｣

その言葉を聞いた瞬間、顔を歪め大粒の涙が流れる。
何よりも私が欲しかった言葉。もう死んでもいいくらいのプレゼントだった。
いや、死んじゃダメだ。精一杯親孝行するんだ。

そのあとは、お母さんが作ってくれたお粥を食べて薬を飲んですぐ良くなるようにたくさん寝た。
この幸せな出来事が、全て私の幻覚であることに気づくまであともう少し。

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