【名探偵コナン】自己評価低めの女子大生を沖矢昴が褒めていくことでプラマイゼロにする話

殺人事件 ページ44

サバ、コイ、タイ、ヒラメ
カタカナで岩に刻んであった魚の名前と、女性の遺体。
口元には掠れた口紅とその口紅がついていないレギュレーター。
これは、殺人事件である。

テレビでしか見ないその出来事は、きっと一生忘れない。悪い意味で。
遺体は綺麗な状態で保たれていて、一見亡くなっているなんて分からなかった。
陰惨な状態だったら間違いなく吐き気を催していただろう。とはいえ、気分は良くない。
それに、子供達がやけに死体慣れしているのは何故だろうか？仮にも探偵団だから警察でも解決できない事件を担当しているとか？
だからといって子供に死体を見せるのはちょっとな、と思う。まぁ割と慣れているようだしもう仕方ないのかもしれないけど。

そんなことは今は置いておこう。
でもさすが、少年探偵団と名乗ることだけはあった。
口の中が完全に乾き、肌のハリもないことから死因は脱水死。
そしてレギュレーターに付いてあるはずの口紅がついてなかった。
これは亡くなったあと犯人が変えに来たという証拠である。
これに気づいたのはコナン君。子供達の中で1番落ち着いている人物だ。

コナン君を見ていると、なんだか新一君を思い出す。
最近会ってないけど、元気にしてるかなぁ。

数十分経って警察が到着する。
改めて遺体を確認すると、脱水死で間違いないそうだ。
3日前から飲まず食わずでこの一角岩に居たらしい。

そして、殺人事件だと説明する前に刑事さんはコナン君と同じ推理をし、これは殺人事件だと見事に言い当てた。
それを光彦君はコナン君がすごいです！と言うが、普通にこの刑事さんもすごいと思うけどな。

｢こっから先は警察の仕事だ。いくら坊主でもこの女がどこの誰かは分からねぇだろうからな。｣
｢最近この神奈川に進出してきた、金融会社の代表取締役赤嶺社長の一人娘。｣
｢！？｣
｢だよね、おじさん。｣

女性の身元でさえ言い当ててしまった。刑事の立場が危ういな。と苦笑いする。
井田さんは、若い男性を連れてこの辺りで潜っていると言う。

｢確か名前は__｣
｢光里お嬢様！！｣

近くから声がして、全員声の元を見る。
すると先ほど注意してくれた3人組の男性陣がやってきた。

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