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とりあえず大まかにここに来た経緯を話すと、良かったーっと、とても安心しきったような声が聞こえてきた。
「知り合いってさ…男?」
「女の人だよ!」
「良かったー!今パパとママ居ないからさ、またストーカーやら夜道で襲われるやら、次は誘拐になんて遭ってたら私じゃどうにもできないし」
「っ!?あ、うんそうだね、!」
「また…?」
まずい、その話題は地雷だ…!何のために女の人って嘘をついたと思ってるんだと焦って声を被せるが、どうやら沖矢さんの耳に入ってしまったらしい。だめだ逃げ出したい。
これ以上余計なことを漏らす前に急いで話題を変えるけど、これ後で沖矢さんに聞かれるかなぁ…
「それより、今お父さん達いないの?」
「うん、仕事で1週間はいないってさ。」
そっか、いないんだ。
ちょっと安心したけど、会えない期間が伸びれば伸びるほど気まづくなっていく。
「だからさー、姉さんの生存確認もできた事だし、私も親が帰るまで友達とお泊りパーティーしてくるね!」
「へっ?」
「風邪、まだ完全に治ってないんでしょ?なら丁度いいからそっちで1週間泊まってったら?家に帰りたかったらそれでもいいけど、誰もいないからね。
あ、鍵はポストに入れておくよ!」
「い、いや、」
「じゃね!なんかあったら連絡してー」
困惑している間にプツッと切れてしまう。
仕方なく受話器を置き、後ろの人をどうやって対処しようか考える。
良い事ではないが、自分のことを知られないためにのらりくらりとかわすのは慣れている。
いつも通りにすればいいだけ。
「電話、貸してくれてありがとうございました。今日はやっぱり帰ることにしますね。」
笑顔を纏って後ろを振り向く、が思わず背中がゾクリと悪寒を走る。
今まで糸目だった彼の目は私を確実に射抜いていたから。
一周まわって、綺麗な緑の目だなぁなんて余裕をかましてしまったが、すぐに正気に戻る。
「今日は帰られても誰もいらっしゃらないようですが?尚更ここにいた方が良さそうですけど。」
少しの希望にかけて全ての会話が聞こえてないことを願っていたが、すぐに打ち砕かれた。
妹の声がもう少し小さければこんな事にはならなかった、はず…
「ここにいる限り、その色々な被害から守ってあげれますし」
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れりー - ガニモスさん» はじめまして。応援ありがとうございます。続編もよろしくお願いします。 (2022年5月15日 18時) (レス) id: 81bbceea4f (このIDを非表示/違反報告)
ガニモス(プロフ) - コメント失礼します。いつも楽しく閲覧させていただいております。今後も更新頑張ってください。 (2022年5月11日 23時) (レス) @page39 id: 641fd1fa7b (このIDを非表示/違反報告)
月雨(プロフ) - れりーさん» ベルベットというお酒があるのですね!勘違いをしてしまい申し訳ございません!これからも更新頑張ってください!応援しています! (2022年5月11日 15時) (レス) id: cfd9189861 (このIDを非表示/違反報告)
れりー - 月雨さん» 即座に直しました。教えてくださりありがとうございます!ベルモットではなくベルベットというお酒を見つけて名付けていました。紛らわしくて申し訳ございません。これからもよろしくお願いいたします。 (2022年5月11日 1時) (レス) id: 81bbceea4f (このIDを非表示/違反報告)
れりー - 花音さん» はじめまして。ありがとうございます。応援ありがとうございます。これからもよろしくお願いいたします。 (2022年5月11日 1時) (レス) id: 81bbceea4f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:れりー | 作成日時:2022年5月5日 22時