桜の木の下で (ページ5)

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クラスページ5

ふたりは最初に大きく深呼吸をしました。
緊張しているからです。
緊張していると言っても、ふたりが同じクラスかどうか確かめるだけのことですが。
ふたりは、特に咲は、同じクラスではないと不安なので、同じクラスであることを必死に祈ってました。
果たしてどうなのかー
この朧月中学校は生徒数がとてもおおいので、もちろんクラスもおおいわけです
1学年に400人もいます。
クラス数は1クラス40人で、10組まであります。
「何組でもいいから、(咲/あん)と同じクラスになれますように。」
そしてふたりはクラス表を見ました。
1組…2組…3組…
1年4組14番。下浦咲
「あ、私4組…」
咲がかなしそうにいいました。
そしてしばらくクラス表に目を通していると。
「、、組24番。美月あん」
あんがかすれた声で言いました。
「え？何組？」
咲が心配して尋ねました。
「4組！」
あんが明るい声で言いました。
ふたりは輪を作って、よろこびあいました。
これでもう、不安なことはありません。
その後、せっかくだしあの噂の辰巳姉弟も探してみよう、という話になりました。
もう、前のような暗い気持ちはなく、ふたりは宝探しをしているかのように辰巳姉弟の名前を探しました。
あっ、と咲は声を弾ませて言いました。
「1年生6組19番。辰巳文哉」
それに続けて、あんもいいました。
「1年4組18番。辰巳桃。うわぁ、同じクラスかぁ…」
あんは残念そうに言いました。
無理はありません。桃はとても良い人、とは言えないからです。でも、咲の心境は違いました。
もはや、楽しみだったのです。
これから、どんな人と、どんな事ができるかをとても楽しみにしていたのです。
「確かに桃ちゃんと過ごすのは大変かもだけれど、ちょっとずつ馴染んでいこうよ」
咲は言いました。
「う、うん…」
あんは頷いたものの、少し驚いていました。
なぜなら、今まで人見知りで、内気な咲が、
こんなに人と出会うことを嬉しく思っているのをみたのは、親友のあんでも初めてだったからです。
でもその後すぐに、あんは驚きの気持ちを打ち消して、ここは親友の咲のほんの少しの成長を認めるべきだと思い、にこやかに微笑みました。
咲はそれを少し不思議に思いましたが、ほほえみかえしてあげました。
どきどき、わくわくの中学校生活が始まります。