距離感に問題あり。【五条悟】

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悟を送り届け、自分のアパートへと到着する.



彼のあのマンションを見た後に、自分のアパートを見ると天地の差があるなぁなんて毎度の如く思う.





玄関チェストに鍵を放り、リビングへ向かう.





私の定位置とも呼べるソファに腰を下ろし、
スマホを開けば野薔薇ちゃんからの通知が届いていた.





竹下通りで撮った写真や109で撮った写真.
野薔薇ちゃんとだけでなく、みんなで撮ったものや
悟と映るものなど＿＿.





不思議と高専時代に戻ったかのような気分になる.
それと同時に、何処か寂しささえも感じた.










スマホから顔を上げ、テレビの前に飾ってある写真立てに目を向ける.





高専時代に同級生と撮ったものだ.
五条悟、家入硝子、夏油傑、そして私.





4人で撮ったのは、その写真が最後だ.
何でもない日に撮った1枚の写真＿＿.










悟と硝子とは、
なんだかんだで10年以上の付き合いになる.



硝子は高専を卒業してから医師免許を取るのに、学校へ行っていたから毎日のように会えていたわけではない.





でも、悟とは ほぼ毎日のように会っていた.
(悟の呼び出しが殆どだけど. )





だからなのか、彼の言いたいこととか、やろうとすることとかはなんとなく…だけどわかる.





あの人の性格だから、不可解な行動や
不意打ちをつかれることは多々あるけれど.










傑とは…、
もう、何年も会ってない.



悟とは真逆で、10年以上会ってない. 会えていない.









『 ……ｯ 』





＿＿否、もう、4人で集まることは、もう出来ない.





じくりと、胸の奥が痛むような気がした.






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