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カーテンの隙間から日差しが入り込む
部屋が明るくなり自然と瞼が開いた
むくりと上肢を起こすと私にかけらていた布団が落ちて、それを合図に両腕を頭上まで高く上げて軽くストレッチ
忘れた頃に腹部の痛みを感じたが、丁寧に処置されていたからか、それ程ひどいものではなかった
あまりにも片付けが上手い秀一のせいで、彼が居た痕跡は一切感じられず、物哀しい気分だ
そんな少しの憂鬱さを晴らそうと、ベランダのガラス戸に手を掛ける
何故か鍵は開いていて、音を立てずにそのままスライドした
「…秀一？」
いつの間にか本物の姿の彼が、ゆっくりと煙草を吹かして黄昏ていたのだ
下された髪から見える顔はどことなく幼さがあった
「…目が覚めたか
ここは良い眺めだな」
彼の視線に私が映ると、携帯灰皿をポケットから取り出すので、その手を制した
会えた喜びからか自然と笑みが溢れる
「良いよタバコ消さなくて」
「ニオイがつく」
「たまには良いかなって思って
所でバーボンは来なかったの？」
「Aの携帯に彼から安眠を邪魔する訳にはと表示されていたのでな、俺もここで仮眠をとってゆっくりさせてもらった」
「そう、携帯見たのね」
「不本意だ
そう意地悪を言わないでくれ」
懐かしいニオイが鼻腔をつくのと同時に、秀一は私の背後に周り片腕を回した
「俺は見ての通りヤキモチ焼きなんだ
この綺麗な首筋にヤキでも入れて俺のモノと印を付けたい程にな」
「全然見えない上になんか怖いよそれ」
彼なりの笑えない冗談をかましてきた後、彼は煙草をコンクリート壁にすっと当てがい火を消しそれを携帯灰皿へとしまった
ふわりと纏わりつく独特の煙草の匂いと、秀一の体温が身体へと伝染していく
彼の腕を離すまいと、私もそこへと手を置くと小さく低い笑い声が肌を通して聞こえてきた
「…何笑ってるの」
「悪い、この幸福感が、性に合わなくてな」
「そんな悲しいこと言わないでよ
私だって、今現実逃避してるんだから」
「あぁ、Aの言う通りだ
ここにいる間は性に合わずとも、Aの世界に溺れようと思う」
腕の中から彼の顔を見上げる
目と目があった瞬間、深く口付けられ全身の力が抜けた
ただ身体が崩れていないのは、彼が私を落ちぬよう力強く抱きとめているからだった
「しゅ、秀一、嬉しいけどここベランダですヨ」
「…ましてや怪我人か、まいったな」
「参ったのは私だわっ！」
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みんじろう(プロフ) - RIOさん» RIOさん、コメントありがとうございます！好きなものが増えて手に追えなくなってはいますが、映画を鑑賞し感情爆上げにしてきます！！最新のはレンタルが出たら…！！すぐに見たいです！！！ (2022年5月30日 9時) (
レス) id: acc7c19a08 (このIDを非表示/違反報告)
RIO - 小説読ませてもらっています！更新待ってます！！ (2022年5月29日 23時) (レス) @page31 id: 759836d8d0 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：みんじろう | 作成日時：2020年10月27日 10時
