物語の始まりだ (ページ6)

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第6話ページ6

「それで、許可は取れたけどいつ寮に入る？」

そう監督に問われて、Aが「寮には家具は付いてるんですか？」と訊くと
「付いてるよ」と返答が来る。

「それなら必要なのは制服とか教科書類ぐらいなので、
　今日からでもいいですか？それらは使用人に持ってきてもらいます。
　あとの細かいものは、今度の休みにでも取りにいけばいいので。」
「わかった、Aちゃんがそう言うならいいよ。
　あ、それなら３時間後にまた電話かけさせてもらっていいかな？」
「はい、わかりました。」

そうしてこの日からAのMANKAIカンパニー入団が決定したのである。

「と、いうわけで、本日めでたく茅ヶ崎至さんとシトロンくん、
　そして藤宮Aちゃんが入団してくれましたー！」

寮に着いてから稽古場に案内され、監督から支配人にAたちの紹介をされる。

「改めてヨロシクダヨ。」
「よろしくお願いします。」

「おおー！新生春組結成三日目にして団員五人揃うなんて、快挙です！
　しかもマネージャーまで！さすが、監督！」

そう言う支配人を見て、「現金な人っぽいな」と感想を抱きつつ、
Aは会話を聞いていた。

「それで、その至さんは？」
「引っ越しの準備のために帰られました。
　稽古には明日から参加されるそうです。」

綴の問いに答える咲也。そして……。

「それではこれから、来月の公演の演目を決めたいと思います。」

そう監督が言ったのを聞いて、Aは少しだけワクワクした気持ちになった。