特別潜入捜査部隊ーJUMPー3rd

孤独編01 ページ7

薮視点

〜数時間前〜



1人任務の前に本庁に呼ばれた、までは良かった

ズラリと並ぶ上官達を前に見据える

「薮、今から打ち合わせをし、明日お前には戦闘任務に行ってもらう。」

薮「…はい」



この任務に行ったらどうなるか分からない…覚悟はできている

これで結果的に椿を救えることになればいいが…



他のみんなも今頃任務だろう、大丈夫かな


「必ず成功させてこい。いいな」

薮「はい」








挨拶をし、会議室を出ようとした瞬間、悪夢は始まった


爆発音がし部屋に煙が立ち込める

「何だ?!」「薮、わ、わしらを警護しろ!」

上官たちが非力に叫ぶ

何だ、何が起こった?

薮「ぅぐっ…!」

混乱していると背後から口を押えられた

「薮宏太、こちらの味方になるなら歓迎する」

知らない低い声、一体誰がこの本庁を襲撃しているんだ

薮「誰が味方になんて、…なるかよっ!」

足を引っかけて転ばせる

「うわああああ」

ちっ、犯人は何人いるんだ!

上官たちは全部で６人、全員を守りながらじゃこっちが不利だ

薮「上官!こっちです」

混乱の中必死に上官たちを部屋から逃がす

その間にも様々な角度から攻撃されるが、あいにく上官を守ることに精一杯で自分にまで気が回らない

薮「…っくっそ、…!」

頭がくらくらしてきた、睡眠薬か何か撒かれたか?

挨拶だけのつもりだったので装備を一切していない俺には効果抜群だった


「たすけ…助けてくれ!」

逃げ遅れたのか見過ごしていたのか、上官の１人が人質となっている



「もう一度だけ問う。我々の味方になる気はないか?」

薮「ない。お前らの味方になるくらいなら、ここでくたばった方がマシだ」

上官たちは決して好きになれないけれど、今の俺はJUMPの薮宏太だ

それだけは譲れない


「ではお望み通り、くたばってもらおうか」

ガスマスクをつけた男がしゃべり終えると視界がぐにゃりと歪んだ

?!

そして脇腹に鋭痛が走った



薮「ぅあ…っ」

刺されたと認識するまでにどのくらいかかっただろう

しかしここで退くわけにはいかない


人質の奪取のため、距離を詰め寄る

「や、やぶ…!」

上官の首を荒々しくひっつかむとドアの方向に向かって投げだし、犯人には仕方なく背を向ける形になる

自分が危ういのはわかっていたがこうするよりほかに方法がなかった

薮「……っ、!!」




部屋にいる犯人は10人

…もってくれよな、俺の体

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