宮くんのカノジョ(仮)になりました。【宮 侑】

＃10 ページ10

夜、風呂からあがると突然電話がかかってきた。









かけてくるとしたらこころか従兄の遼ちゃん。









誰だろうと思い、相手をみるとまさかの宮くんだった。









え、まっまって？！









うち、遼ちゃんとぱぱとじいちゃん以外の男の子と電話なんてしたことないからわかんない！！









ましてやイケメンなんてたとえ性格が悪くても緊張するってば！！









しかも仮に付き合ってるってだけで夜に電話とか宮くん大胆すぎてこわい。









ひとりで悶えていると時間切れで電話が切れてしまった。









.......やべ。









宮くん怒りそう。









瞬きする暇もなくまた２回目の電話がかかってくる。









怒られたくないので今度こそちゃんと電話にでた。









『もしも』









侑「心配するから電話気づいてんならすぐ出ろや！」









もしもし、と言い終わる前に宮くんの怒った声がとんでくる。









心配してくれてんだか、怒ってんだか。









『ごめんて。なんか用事？』









ベッドに寝転んでなんにもない天井をみながら聞いた。









侑「来週の土曜って暇やろ？」









『もちろん暇だけどその聞き方なんかムカつく。』









暇、って言いたくなくなる言い方だよね。









侑「うっさいわ！俺、部活休みなんやけど....映画、見に行かん？」









『えっ？映画？』









びっくりして思わず声が裏返る。









映画って、宮くんなんとなく行かなそうなイメージなんだけども。









電話の向こうから慌てたように説明する宮くんの声。









侑「別に部活ん奴からペアチケット貰っただけやからな！」









ほんとにくれる人っているんだ。









謎の感心をしながら考える。









『.....それってデートってこと？』









侑「.....まぁ、そうなるわな。」









デート。









イケメンと...うちが？









侑「いちおー、仮やけど付き合ってるから。





土曜日の1時、駅前のとこな。」









電話の向こうで意地悪ににやついている宮くんの顔がカンタンに思い浮かぶ。









一方的に切られる電話。









うちは赤い頬を抑えた。

＃11→←＃9

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す