宮くんのカノジョ(仮)になりました。【宮 侑】

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この状況を誰か説明してほしい。









つい一昨日まで斜め向かいに立っていた彼がいまは電車の隣の席。









なにを話したらいいのか戸惑っていると宮くんが口を開いた。









侑「Aは部活とか入っとんの？」









...宮くんでも普通の会話できるんだ。









失礼な感心をしながら口を開く。









『入っとらんよ。宮くんは？』









中学まではバスケ部に入っていたが、言う必要もないのでスルーした。









侑「俺、バレーしとんねん。セッター。」









へぇ。









イケメン、バレーしてるんだ。









『って！！ん？！え！？






稲荷崎って男バレ強豪じゃなかった！？』









バッ、と思わず隣の宮くんの方をみると得意気な顔と目が合った。









はじめて見るこどもっぽい顔にすこしだけ胸がきゅんと鳴く。









侑「おん。今度、見にきてもええで。」









『むっっっちゃいきたい！』









バレーは従兄がやってるのをちょっとだけ見たことがある知識だけだけど









強豪をみてもいいと言われるとテンションがあがる。









にこにこしているうちをなぜか宮くんがじっと見てくるのに気づいた。









いやいやいや。









こわいから！！









『...うちになんかついとる？』









耐えきれなくなって聞くといつもとはちがう静かな声で宮くんは言った。









侑「...いや。Aが普通にしとるとこ初めてみたな思って。」









『はぁ？嫌味言うとんの？』









睨むつもりで宮くんの方をみる。









睨む、つもりだった。









つもりだったけど、出来なかった。









だって宮くんがとっても嬉しそうに笑ってたから。









みるみる赤くなる顔を隠すようにうちは急いで目を逸らした。









ヤバいです。









うちは、きっと









厄介なひとの仮カノになった。

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