宮くんのカノジョ(仮)になりました。【宮 侑】

＃43 ページ43

Aside

ねぇ、まって人生で初めてバスローブ着た。






『宮くん、上がったよ。』









侑「...おん。」









ベッドに寝転がっていた宮くんはうちを見るなりがばっ、と起き上がった。









侑「.....えろない？」









『嬉しいけど嬉しくない！！』









ていうかうち、腹を割ろうと思ってたのにその一言で決意揺らいだよ？









でも言わなければいけない。









『.....侑くん。』









侑「ん？.......えっ」









宮く...侑くんは分かりやすく顔を赤くして動揺した。









よし。









今だけは相手のペースにのまれる訳にはいかない。









そのまま侑くんの隣に座りきゅっ、と大きなゴツゴツした手を握る。









1年生の夏くらいから、ずっと電車で侑くんを見てきた。









思っていた人とは違ったしムカついたりもした。









全然理想的じゃない王子様だけど









うちは侑くんがいい。









『あの、ね。』









声が上ずってしまったけど気にしない。









それよりも恥ずかしいこと、もっといっぱいしてるから。









侑くんの方をみて、にいっと笑った。









『うち、侑くんがすき。』









イケメンなら、誰でもいいわけじゃない。









そんなこと、侑くんの仮カノジョになってから初めて思ったの。









『だから、仮カノジョは終わりにしませんか...？』









侑くんの裏表のない、嬉しそうな顔と目が合う。









侑「俺と、付き合ってください。」









4ヶ月前のカフェとはちがう。









上から目線でも、意地悪でもない。









それが嬉しくてにやにやが止まらない。









『お願い、します。』









うちがそう言うと侑くんは楽しそうに笑った。









侑「お見〇いテレビかっちゅーねん」









『第一声がそれかよ！だって付き合って、なんて言われたの初めてやもん。』









侑「...俺も。」









『え、絶対うそじゃん。』









思わず怪訝な顔をしてしまうと侑くんは意地悪に笑った。









侑「俺も、初めてこいつやなきゃダメや思ったん。」

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