宮くんのカノジョ(仮)になりました。【宮 侑】

＃1 ページ1

うちと金髪の彼との共通点









それは、ただ電車で降りる駅がいっしょってこと。









それ以外の共通点はない。









でもルックスがよくて背が高い彼は毎日同じ車両に居たら目につくもので。









ちらりと端っこに座り、スマホを見るふりをしながら入口付近で壁にもたれる彼をみた。









イヤホンでなにか聴いているらしい。









なにを聞いているんだろうと答えのでないことを考える。









制服はうちの高校の近くの稲荷崎高校。









たしか、男子バレーが強いとこだった気がする。









.....帰宅部にはようわからんけども。









車内にアナウンスがかかりうちが降りる駅の名前が流れた。









そしていつも通りなにもなく









こころの中でイケメンに別れを告げて降りる。









今日も当然そのつもりで電車をおりた。









でも今日はちがった。









「あの！！」









突然うしろから声をかけられた。









振り向くとあの金髪のイケメンがうちを見ていた。









ん？









え？おかしくない？









『あの...うちですか？』









「そぉ。」









わ、はじめて声きいた。









なんとなくどぎまぎしてしまう。









「あんさ、連絡先交換してくれん？」









『あ、はい！よろこんで！』









反射的に返事をしてしまってから言葉の意味を考える。









ちょ、ちょっとまって？









連絡先？









頭が状況に追いつかない。









それでもイケメンに連絡先聞かれて断れるうちではない。









よく考えることを放棄してイケメンとらいんを交換した。









侑「おおきに〜。」









そう言って表面的な笑顔を浮かべるイケメン。









それがうちの地獄の始まりだった。

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