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“ せっかくのチャンス、逃すなよ ”
頭を駆け巡るジンの迷いのない言葉
廉『チャンス、か…』
ジンはあんな言い方してたけど、
チャンスだなんて言葉で片付けるのは
何だか気が引けた
『廉ー』
廉『おー、なになに？』
何となく受け流すように聞いた講義も終わり
筆箱にペンをしまい席を立ち上がろうとすると
声を掛けられる
『今日飲みに行かね？』
廉『あー、今日バイト』
『はぁ？バイト？釣れないやつ』
廉『ごめんごめん、じゃあな』
.
さぁ、今日も働くか…
Aちゃんがいなくなってから、
バイトまでの足取りは重いし
気分がなかなか乗らない
憂鬱やなぁ、俺もバイト先Aちゃんと同じとこに変えようかなぁ、なんてそんなバカなことを考えて気を紛らわせる
.
でも、店の前に何となく見た事のあるシルエットが
見えて不意にも足が竦んだ
廉『あの』
なんで声を掛けてしまったんやろう
気付いた時にはもう遅かった
平『あ、』
廉『こんにちは』
平『…こんにちは』
心做しか最後に見た日よりも少し痩せて
窶れたような気がする
廉『……Aちゃんなら、いないっすよ』
平『あぁ、うん、せやんな…』
平野くんは扉に伸ばしかけていた手を慌てて引き戻す仕草を見せて、苦笑いを浮かべた
廉『もう何ヶ月も前にバイトやめてます』
平『そっか』
その壊れてしまいそうなほど苦しい引き攣った笑顔、
本当にAちゃんにそっくり
平『A、元気にしてる？』
廉『え？』
平『泣いてへんかなって』
泣いてるよ、毎日毎日、
同じ人を想ってずっと泣いてる
廉『元気にしてますよ』
平『そっか、よかった』
何も良くなんかないくせに、
会いたくて会いたくて堪らんくせに。
平『これからもAのことよろしくな』
そんな泣きそうな顔するならそんなこと
言わんといて欲しい
俺、めっちゃ寂しい人間やんか。
平『じゃあ、俺はこれで』
廉『……っ…』
でもまだまだ弱い俺は
Aちゃんが離れていくのが怖くて
何も上手な言葉を掛けれんかった
お互いを想う気持ちは薄れるどころか
どんどん強くなっているのに
すれ違ってしまうAちゃんと平野くん
いくら傍にいても交わることない俺とAちゃん
この期に及んでも尚平野くんが羨ましいと
思ってしまう自分って、相当ひん曲がってんな
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みう(プロフ) - 彩花さん» コメントありがとうございます！そのようなことを言って頂けて書いてよかったなと本当に思いましたありがとうございます。続編を書いた際はまたお付き合いよろしくお願い致します^^ (2020年4月13日 23時) (
レス) id: 3c79c161a1 (このIDを非表示/違反報告)
彩花(プロフ) - 今日この作品を見つけたのですが、面白くてあっという間に全て読んでしまいました！笑 後半は胸が苦しくなるような場面が多かったので、もう一度結ばれたあとの幸せな主人公と紫耀くんがぜひ見たいです！！ (2020年4月13日 2時) (レス) id: afdd2d5378 (このIDを非表示/違反報告)
みう(プロフ) - 美月さん» コメントありがとうございます！私の作品が1番だなんて嬉しいお言葉ありがとうございます。こちらこそ最後までお付き合い頂き本当にありがとうございました^^ (2020年4月12日 23時) (レス) id: 3c79c161a1 (このIDを非表示/違反報告)
みう(プロフ) - 京本ゆいさん» コメントありがとうございます！楽しみにしてくださってありがとうございます、そして最後までお付き合い頂きありがとうございました。続編をもし書いた際はまたお付き合い頂けると嬉しいです^^ (2020年4月12日 23時) (レス) id: 3c79c161a1 (このIDを非表示/違反報告)
美月(プロフ) - お疲れ様です！廉くん最後はやっぱり好きな人の幸せを選んだんですね（ ; ; ）お互いを想い続けられるのって素敵ですね。占ツクで見てきた中で一番好きな作品でした。更新を楽しみにしていたので、寂しいですね。楽しませていただき、ありがとうございました！ (2020年4月12日 19時) (レス) id: 4599bc1e74 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：みう
| 作成日時：2020年3月9日 18時
