Cigarette and Vanilla

＃９　　【１４歳】 ページ9

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何て、思っても







素直になれるわけなんて、無くて。








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『あのさ、Aちゃんの事好きやねん！』








そうやって、Aの事を好きでいられる奴に嫉妬して








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『はっお前趣味悪。』








Aを悪く言って、ソイツの事もけなす。








俺って、こんな嫌な奴なんや。








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A「淳太君。」








そうやって、遠慮がちに笑うAが








愛しくて、愛しすぎて








・・・・・嫌い。








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淳太「何やねん。」


A「あのさ、たまには一緒に帰らない？」


淳太「意味分からへん。何でわざわざ。」


A「お・・「その呼び方で呼ぶな！！」








思わずそう叫ぶと








Aは泣きそうな顔で、「ごめんなさい。」と謝る。








悪くない。








悪いのは俺。









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淳太「・・・もういい。」








そう言うと、Aは顔を俯かせながら走って俺の横を通る。








すれ違いさまに小さい声で








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淳太「・・・ごめん。」








そう、謝ってみるけど








Aは、止まらないで走って行く。








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俺の声も









俺の想いも









一生、アイツには届かない。








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そんな事、分かり切ってる。









ただ








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俺はもうアイツを傷つけない強さが欲しい。

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