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貴「私、貴方に愛して欲しい。」




その言葉に流星さんは


私から目を逸らす。







貴「私今日、ここの近くのホテルに泊まるの。」




ほら、ここまで言って分からないわけないでしょう?


ねえ流星さん。







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流「そろそろ、ラストオーダーですね。」



一人で泣くのは嫌なの。







流「最後、という事にちなんで、XYZなんていかがでしょう?それか、Aさんはカルーアミルクがお好きでしたよね?」



・・・ねえ!








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手を伸ばして


彼の蝶ネクタイを掴み


私に引き寄せようとしたけれど




彼は、その手を払いのけた。








振り払ったとかそんなんじゃない。


ただ手で私を制しただけ。


何の力も入ってない。




でもそれが、十分すぎるくらい、苦しいの。








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貴「・・・酔っぱらったからって、おイタがすぎたわね。」

流「・・・・・」

貴「・・・カルーアミルクにするわ。」

流「かしこまりました。」








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「あれ?このねーちゃん酔いつぶれちゃったん?」

「あ、よく見るわこの子。いつもは高飛車な感じやのに。」

「・・・なあ、お持ち帰り、」

流「お客様。」




流「申し訳ございません。当店ではそのような行為は禁止しておりまして。」






そういうと、Aを持ち帰ろうとしていた2人組は


小物らしく、さっさと帰っていった。








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バックヤードから毛布を出し


それをAにかけて


店の片付けに取り掛かる。





半分だけ飲まれたカルーアミルクをシンクに流す。



流「十分酔ったくせに、こんな度数高いの飲むなんてアホやろ。」








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貴「・・・・・・流星、さん・・・・」





眠っているAが


寝言で俺の名前を呼ぶ。





片付けも終わり、近づくと


頬に涙が、幾筋が流れていて



それを掬うと、少し表情を綻ばせる。









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貴『泣かない女が良い子ってわけじゃないのよ。』





そうかもな。


俺には






傲慢なフリをした彼女が


こんな風に、俺の事で泣いてる姿が


たまらなく、可愛く見えるんやから。









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流「だからまだ。おあずけ、な。」






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ボーカロイドの「チェリーハント」という曲から考えました。

カクテルも意味を少し考えて選びました。

女の子は大切に Yoshinori.M→←カクテル   Ryusei.F



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作者名:桜翔 | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/my.php  
作成日時:2017年9月23日 22時

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