28.疑い、不安 ページ28
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望は、私の何をそんなに好いてくれたんだろう。
独り言のつもりだった
いつもなら独り言だった言葉に
淳太先生は、少し苛立ったように疑問をぶつける。
淳「何それ。今はやりのスクールカーストとかいうやつ?めんどくさ。」
貴「そう思うかも知れないですけど、今の高校生には回避できないことなんですよ。」
淳「誰がオッサンや。」
貴「誰も言うてへんそんなこと!」
淳「ていうか。」
淳「それと、彼氏を疑うのは別じゃないですか。」
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疑ってる。
ああそっか。客観的に観たら、私がしてるのはそういう事か。
大好きな望の事を、疑いの目で見てる。
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はじめはお見舞いに来てくれた友達も
今は誰も来てくれないでしょ。
メールですら。
でも望は、今もほぼ毎日来てくれる。
だけど、いつか
今望が本当に私を好きでいてくれてるとしても
それって、いつまで続くことか分からないやん。
だって、死ぬかもしれない病気やで?
絶対に捨てたくなる日が来る。
第一、こんな事ばっか考える女なんてー・・・
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でも、少なくとも、今愛されてるなら、いいじゃない。
自分だって、いつまでそのいらないことまで考えてしまう愛が続くか分からないんやから。
ああそうやん。
私、ずっとそう考えてたやん。
何を今更。
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病気になって、情緒不安定になってる。
暇な時間が増えて、何でも深く考えてしまう。
違う。
ただ、今まで積もってきた不安が
ここで、崩れ落ちただけや。
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作者名:桜翔 | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/my.php
作成日時:2017年12月16日 21時