雪に願いを【Nozomu.K】 (ページ25)

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２５．私が見たくなかったものページ25

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淳太先生から貰ったものを

一緒に棚に入れておく

先生は出ていくのかと思いきや

近くのパイプ椅子をを引き寄せる音がして

右を向くと、カシャン、と、座る音がした。

貴「診断か何かですか？」

淳「・・・嫌なことを聞くかも知れませんけど。」

貴「何です？」

淳「・・・さっきの、どうやって使うんです？」

躊躇いがちな

間の空いた言葉。

出来るだけ、言葉を選ぼうとしてくれたんやろうな。

確かに私が隠したそれは

目が必要、どころか

目で楽しむようなものだ。

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貴「見えるんですよ。」

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淳「え？」

貴「あ、えーと、たまに、少しだけ視力が回復する日があるんですよ。気分がいい日。

といっても、形の輪郭や色が微かに分かるくらいなんですけど。」

淳「・・・そうなんですか？」

先生の声の方に、顔を向けると

ぼかしかかって見えるけど

微かな色の変化は見える。

貴「先生の今日のシャツの色は薄い黄色。」

ドヤ顔をして言ってみせると

思った通り先生は、狼狽えるような反応をした。

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貴「何やろ。多分、私の病気って、完全に視力とかが無くなるわけじゃないと思うんですね。」

淳「え？」

貴「フリ？フラグじゃないけど、何か嫌なきっかけがあって。」

淳「フラグ・・・戦いの前の『この戦いが終わったら・・・』みたいなやつですか。」

貴「そうそう。それです。それで脳が、拒否するんだと思います。」

私が、望を見るのを。