２２．失って気付く ページ22
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幸せであたたかな
「新婚みたいだ」なんて笑った生活も
長くは続かなくて。
約1か月・・・まだ1か月も立たない日に
あの日ぶりに、雪が降った。
それを見た私は発作を起こし
病院に運ばれた。
.
次に目を覚ました時には
嗅覚、味覚
そして、視覚が失われていた。
視覚と言う、大きなものが無くなったからだろうか
今まで以上に、全ての音が大きく
・・・・・特に、物音は
恐ろしいもののように、聞こえた。
その中で
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「・・・・・覚えてますか？」
緊張したような声が
ものすごく優しく響く。
貴「・・・・えっと。」
淳「・・・・中間です。以前短期入院された時・・・」
貴「あ、覚えてます！中間淳太先生。」
あれ？でも
私が思ってた先生は
早く目が覚めたこと教えろって、望を若干睨み付けて
私の状態を少ししつこく聞いて
重要な話をするときに、大きく息を吐く、その仕草がやけに威圧的な
.
貴「・・・・先生って、こんな優しい声してたんですね。」
そう言うと
先生が、「は？」と
間抜けな声を出す。
ああそうや。
先生、ずっと眉間に皺寄ってた。
だから、怖いって思ってたんや。
.
無くなってから大切なものに気付くじゃないけど
貴「見えなくなって、気付くことってあるんですね。」
淳「・・・・・」
貴「あ、開き直ってるとか、そういうんじゃないんですけど。」
.
貴「ありがとうございました。」
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作者名：桜翔
| 作者ホームページ：http://uranai.nosv.org/my.php
作成日時：2017年12月16日 21時
