20.共感が減る ページ20
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違和感は既に感じてた。
貴「・・・・望、これ、薄い?」
望「ん?・・・俺はちょーど。」
味覚に、自信が無くなってた。
料理に関しては
砂糖ひとつまみとか他調味料これくらいとか
だいたい分かってるし
いざとなれば、調べて分量をキッチリ計ればいい。
それで、好みが違うから、というフリをして
望に味見をしてもらえば、完璧。
小学生の子供みたいに
望は味見を提案すると、嬉しそうにしてくれる。
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1番困るのは
望「じゃーん!うまそうやったから、買っちゃった、コンビニスイーツ。一緒に食べよ。」
望「うわうっま!」
貴「・・・本当だおいしい!」
こういう時。
美味しいものが食べられないのはまだいい。
想像力と、記憶で何となく味を錯覚できるし
まだ触感がのこってるから。
でも・・・
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望「めっちゃうまー!感激ー!」
こうやって
望と共感できることが減っていくのが
何よりもつらかった。
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ねえ望。
私たち、こうやって遠くなって
いずれ、一緒にいるのに、違う世界で過ごしてるみたいになるんだろうね。
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作者名:桜翔 | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/my.php
作成日時:2017年12月16日 21時