18.君が笑えば私も笑うから ページ18
.
貴「え?」
望「・・・嫌ならええねん。」
貴「嫌ちゃうけど・・・何でいきなり?」
望はもう1度お箸を持って
お茶碗に入ったご飯をかきこみ、食べきって
また真面目な顔をするけれど
口の横に、ご飯粒がついてるから
笑いが堪えられなかった。
貴「ここ。」
不思議そうな顔をする望に
自分の顔を指して、望のご飯粒の場所を教えると
逆の方をゴシゴシ擦るから
逆、と言うと
ようやく、ご飯粒に気付いて
そして望も
ようやくついてるのがご飯粒、というのが分かって
笑ってくれた。
.
貴「・・・で、本題戻ろっか。」
望「そう。・・・で、一緒に住んでたら、いつ何があっても大丈夫かなって思って。」
貴「・・・いいのに。望って意外と心配性やねんね。」
そう笑って見せると
望は今度は
少し怒ったように、眉間に皺を寄せる。
望「逆に、Aは何で、そんな落ち着いていられるん?」
ああそうや。
望は1番、病気を治そうとしたがってた。
.
貴「・・・・望がいるおかげやで。」
望がこうやって
あたたかさを補充してくれるから
楽しませて
忘れさせてくれるから。
私は今、笑ってるよ。
.
貴「・・・・・一緒に住むの。」
望「え?」
貴「・・・こちらこそ、よろしくお願いします。」
望「っ、ええっ!?」
わざとにさえ感じる
いつも通りの、オーバーめのリアクションに
また私は笑って
貴「望のお箸とお茶碗は、いつも使ってる来客用のやつね。」
そう、おどけてみせた。
ほら、望笑って。
188人がお気に入り
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:桜翔 | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/my.php
作成日時:2017年12月16日 21時