１７．あったかい ページ17
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電子レンジで温めた肉じゃがと
これまた、電子レンジで温めたご飯。
電子レンジの多用に
少しおかしくなって
貴「手抜き料理みたいやね。」
望「うっさ。」
笑うだけで、全身が柔らかくなるような
「幸せ」な気持ちになる。
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話し声が少なく
空っぽにさえ感じる、中身が少ない部屋に
無臭の料理、だけど
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貴「・・・・・いただきます。」
病院食じゃないどころか
望が作った、肉じゃがは
あたたかくて
ただただ、あたたかくて。
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貴「おいしいよ・・・・」
目の前にいる望にそう言うと
望は、そっか、よかった、と笑う。
涙のせいで、本当は味なんて感じなかった。
ただただあったかくて
そのあたたかさが嬉しくて
でも毎日感じてたものとは違くて
でもものすごくあたたかくて
私は涙を流してた。
.
貴「望、ありがとう・・・」
望「なあA？」
貴「ん？」
望は、さっきまでご飯を食べていたお箸を置いて
手を膝に置き、私をまっすぐ見る。
･
.
.
望「これからさ・・・・俺と一緒に、ここ住まへん？」
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作者名：桜翔
| 作者ホームページ：http://uranai.nosv.org/my.php
作成日時：2017年12月16日 21時
