11.意外な一面、それともそれが本当の顔 ページ11
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「何なんですか、貴方たち。」
親戚たちの話し合いに
今までになかった声が加わる。
おばさん達の、いやに甲高い声の中で目立つ、低い男の人の声。
病室の扉を少し開けて見ると
親戚のおばさんの間に立った
真っ白なその人は
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淳「・・・本人に聞こえてますよ。」
貴「・・・中間先生?」
ずっとしかめっ面の印象な
中間先生。
淳「Aさんの病気はストレス性のものですので、咳などによる感染はありません。」
「でも・・・」
淳「関係あるのは、患者の周りの環境です。気候や生活だけでなく、人間関係もそうです。」
「・・・・・」
・・・・・・あれ。
もしかして
かばってくれてる?
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淳「・・・・・!」
貴「あっ・・・」
開いたドア越しに、先生と目が合う。
先生はまたあの時みたいに
目を大きく開いて驚いて
でも今度は、決まりが悪そうにすぐ目を逸らして
そのタイミングで私は思わず扉を閉めた。
扉は閉まったけれども
微かに、内容こそ聞こえないけれど
先生と親戚が話し合ってる声が聞こえる。
・・・・・・ただ、病気の説明をしてくれただけなんやろうか。
先生の威圧的な息の吐き方が
やけに脳裏に流れた。
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作者名:桜翔 | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/my.php
作成日時:2017年12月16日 21時