春なんてこなければいい 【Kento.N】

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それから片付けや皿洗いも、２人でした。


これも、Aに頼まれたこと。




何かしてほしいこと考えといて、という俺の言葉の返事に


桜が見たい、と言って失敗したあと


他にも何か考えといてって言ってたから、ずっと考えてくれてたんだろうか。







一人暮らしした初めの方は自炊もしてたけど


Aが来る直前くらいは、ほとんどコンビニ弁当で済ませてたから


何なら割り箸もつくから、洗い物なんてコップぐらいしかしてなかった。









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「新婚夫婦みたいだね。」




俺が舞い上がって


そう、少しからかう意味も含めて言うと









「もう、やめてくださいよ。」




確かにAは頬を赤らめて笑うのに


でも確実に、拒絶した。









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俺が先にお風呂に入って


携帯をいじりつつ、髪を乾かす。




ちょうどそれが終わったころ


本当にカラスの行水のAが出てくる。


俺が大量に買って、着てなかったＴシャツとスウェット姿が、Aの寝る時の恰好。







いつもなら、このタイミングくらいで


俺はおやすみ、と言って


自分の部屋にこもってしまうけど








「A−。」

「はい？」





今日は









「今日は、一緒に寝てくれない？」

「・・・・はい？」





Aがまだ、恋しかった。

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