２３ ページ23
.
Aの手からお盆を奪い取って
テーブルの上に置き
・・・・２つしか用意されてないカップを一つ持ち上げて、一気に飲み干す。
かなりの時間待っててくれたらしく
紅茶は少しぬるくなっていた。
「ごちそうさま。」
そうとだけ言い放って
Aの手を奪う。
「ごめんマリウス、俺ら帰るわ。」
Aからは、小さな驚きの声が聞こえた気がしたけれど
マリウスからは、特にそういう声は聞こえなかった。
.
右手にAの手のぬくもりが
敏感すぎるくらい伝わる。
そうだよ。Aはロボットだよ。
どっからどう見ても人間だし、温もりだってあるし、
何だったら感情まであるっていう、徹底した人間らしさ。
・・・・・それなのに、ロボットなんだよ。
.
.
「健人さん。」
名前を呼ばれて振り返って
その時に、繋いだ手は、ほどいた。
手の温度はまだ残ってる。
握っていた感触も。
「ごめん、痛かった？」
そう尋ねると、Aは珍しく
ちゃんと声にだして答えないで、ただ横に首を振った。
.
「・・・・本当に？」
「ロボットは、痛みは感じませんから。」
.
「はず・・・・なんです。」
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 230人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を含むプレイリスト 
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
★ - 1【帰ってくる言葉が無くて】→返ってくる言葉、 12【いつも以上に丁寧のな言葉を】→「の」いらない と思います。 (2019年12月15日 0時) (
レス) id: 44d28ad2ed (このIDを非表示/違反報告)
★ - 15【言葉も選ばずに言っっちゃったんだ】→言っちゃったんだ、 49【開いた窓から風入ってくる。】→風が入ってくる だと思います。 (2019年12月14日 23時) (レス) id: 44d28ad2ed (このIDを非表示/違反報告)
山田なぐ - 胸がキュッと締め付けられるような切なさなのにどこか暖かく、ボロボロ泣いてしまいました…！"ロボット"を通して主人公が変わってゆくストーリー性も凄く好きです…！！ (2017年9月3日 23時) (レス) id: 1b19e65de3 (このIDを非表示/違反報告)
そうぽぽ(プロフ) - すごい良かったです！私も最後鳥肌たちました…泣きそうになりました…！ (2017年8月27日 20時) (レス) id: f38caf65e4 (このIDを非表示/違反報告)
しょりか ◎(プロフ) - 最後鳥肌立ちました ！ (2017年5月30日 16時) (レス) id: d818e1ff64 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：桜翔
| 作者ホームページ：http://uranai.nosv.org/u.php/hp/drss1/
作成日時：2017年3月24日 23時
