Fall in love 【短編集】 JW&KJ

黒縁眼鏡　　　Ｄａｉｋｉ．Ｓ ページ49

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先生は目が悪い。




たいてい眼鏡をかけてる。


黒縁の、女ウケ確実な、でもちゃらくないやつ。



黒縁眼鏡って、言葉だけ聞くと、ものすごく優等生に聞こえるのに


何でだろ


先生がかけてると、あざとさを感じる。








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重「・・・？何や。そんなジロジロ見て。」




だけど先生は


こうやって、裏庭や体育館裏で隠れて煙草を吸う時は


眼鏡をズボンのポケットに入れてる。




指摘されてもなお


先生・・・正しくは、ポケットからはみ出た眼鏡を見ていると








・・・・ふと思い立って


先生に近づくと








重「ちょっ、何っ！？」





先生は、ぎょっと後ずさったけど


それを気にせずにポケットから、先生の眼鏡を奪った。








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重「何やねん。いきなりどうしてん。」

貴「何となく。」

重「はあ・・・！？」

貴「度そこそこ強いですねー。じゃあ今ほとんど見えてへんねや。」

重「指何本立ってるでしょーとか聞くのいらんからな。」

貴「何それしょーもな。」





先生との会話はそこで一旦途切れて


眼鏡をくるくると色んな角度で見てみる。







あ、これ多分、あの日つけてたネックレスと同じブランドや。


フレームについてるロゴとデザイン一緒やし。


でも、ちょこちょこ塗装が剥げてるから、ずっと使ってるんやろうな。


気に入ったものは長く使うタイプなんかあ・・・








・・・・・あれ。









貴「先生、あの日眼鏡かけてましたっけ。」

重「いや。つけてへんと思うけど。」

貴「じゃあコンタクト？」

重「・・・も、多分つけてへんかった。」

貴「・・・じゃあ。」









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貴「先生、よく私の顔覚えてましたね。」









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重「そりゃあ、まあ、抱いた女やし・・・」

貴「先生、1回抱いた程度の女の人の顔なんて忘れそうやのに。」

重「俺クズかよ・・・」

貴「だって毎日のようにあの辺の女の人抱き散らかしてるんでしょ？」

重「抱き散らかすなんて言葉初めて聞いたし、してへんし・・・」





でもそれじゃ


視力も悪くて、暗くて、よく見えもしない中


学校で再会して、分かるなんて。









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重「何や、また俺をからかうんか？」





先生が、じっと先生を見る私の目を


疑り深く、めんどくさそうに横目で見る。






貴「いえ。」









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貴「一人で嬉しくなるだけです。」




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重岡先生

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